2023年6月25日、M田さんからのメール
『…。ちなみに防人さんのディフェンダーは予想以上に順調で、車体番号の連絡がありましたので、近々組みあがるのではないかと思います。このペースだと、7月の船便に乗って8~9月上旬日本到着、9月下旬~10月上旬には納車可能かも!?8月7日にご来店頂いた際には、より詳細な予定がご案内できると思います』
僕がコロナに罹患したため、ディフェンダー90の試乗は8月7日から8月26日の金曜日の午後となった。平日で中さんは仕事があるので、今回は僕とトクチンの二人だ。朝7時にランドローバー京都に到着し、近くのコインパークにパジェロを駐車。なぜ、こんなに早くやってきたのかというと、試乗前に我々は大文字山を登山するという計画を実行するためだ。叡電茶山駅から出町柳、そこから京阪で三条京阪、更に地下鉄東西線で蹴上に。



蹴上からは京都一周トレイルに沿って歩き、倒木の多い登山道を登るが、…コロナ後、体力が復活していない僕は息が切れてフゥーフゥーしてしまう。息子のトクチンが周囲をこれ見よがしに走り回り、上から目線の位置で、
「我が家はもう僕の時代だね」
とふざけたことを抜かすので
「たわけッ(尾張弁)!まだ、そちに家督は譲らんぞ‼」
と返す。大文字山のトレイルは整備されていて気持ちよく、途中、山科方面の展望が息が上がっている僕のやる気を引き起こしてくれる。30分くらいすると少しずつランナーズハイになってきて、息子にもかろうじてついていくことが出来るようになり、頂上近くにたどり着くころには息子を背後から圧迫するくらいになり、息子も振り向いて
「なにッ!」
とオヤジの思いのほか早い復活に焦っている模様。
「フェフェフェッ…まだ、お主に負けんわい!」
と父親の貫録を見せつける。



大文字山からは清水山方面の展望が素晴らしく、木陰もあるので真夏でも心地よい。更に、10~20分ほど行くと五山送り火の「大」の字の火床にたどり着く。ここから京都市の見晴らしは最高だ。京都観光というと清水寺、八坂神社、新京極、…といったところに行く人は多いかもしれないが、ここの大文字山の火床からの京都市の景色(場合のよっては夜景)を計画に取り入れてみるのも良いのではと思う。



下りではトクチンを圧迫し(つまりあおり下山)、トクチンが
「何ッ!」
と驚いているスキをついて抜き去り、父親のコロナからの復活をアピールする。11時30分、銀閣寺に下山。



M田さんに「今下山し、昼飯食べたら伺います」と連絡。そのまま歩いて茶山の来来亭で昼飯。その後、パジェロでランドローバー京都に到着。中から営業のD氏が登場し、「後は私が入れておきます」と相変わらず対応が迅速である。このD氏とはたしか、初めてここに来た時も、僕の車を車庫入れしてくれた人で、70系プラドのMT車を運転していて、MT仲間ということで、毎回話をするのだ。
初めてのランドローバー京都のお話→こちら
今回なんと、彼もディフェンダーの90を購入するようで、なんか僕と趣味が似ているぞ。しばらく四駆談義をしていると、中からM田さんが登場したので、Dさんに
「後はよろしくお願いします」
とパジェロを委ねて、僕とトクチンは中に入る。



「防人様のディフェンダーは車体は完成したのですが、船の見通しが立たずにいます。11月から12月納車は大丈夫だと思うのですが、今のところは…」
もうてっきり船に乗ってこちらに向かっていると思っていたので、ショック!僕の90はいまだ海の向こうにいるのね!ここにもコロナやロシアのウクライナ侵略の影響が‼更にM氏の話によると、僕より一週間後に頼んだ人のディフェンダー90は8月初めに豊橋港に着船し、9月初めに納車。これはランドローバー京都の最短記録らしい。こんなご時世でも、通常より最短納車ということもあるんだなあ!一方、僕より一週間前に頼んだ人はまだ、車体も組みあがっていないという。取り付けるオプションなどによってこうもばらつきが生じることに改めて驚きを覚えてしまうのだった。非線形微分方程式では初期値のわずかなずれでもその後の解の挙動に劇的変化を及ぼしてしまうが、まさに、今回のディフェンダーの状況もこの数理構造を表している現象ではないかと妙に納得し、ショックも薄らいでしまった。
「防人さん、それでは90に試乗しますか」
M田さんの号令で、三人は外に止めてあるアイガーグレーの90に乗り込む。今回はエンジンは始動できたが、相変わらず、Dレンジに入れることに手こずっていると、再びM田さんがササっとDレンジに入れてくれる。俺さま大丈夫か?
今日は北白川通りを北上して宝ヶ池に向かう。途中でアクセルを少しきつく踏んでみたり、車線を変えてみたりして90の挙動を調べてみるが、極めて反応が良い。加速感もパジェロに長年乗ってきた身としては、スポーツカーのように感じてしまう。コーナーでも外にフラれることなく攻めて行ける。スポーツモードにしてのエンジンブレーキの効きも申し分ない。試乗車はエアサスなので、コイルサスの挙動が気になるところだが、これは納車後の楽しみにとっておくか。90は110以上に運転者との一体感が心地よく、機敏でとても頼もしい印象を得ることが出来た。
大満足してディラーを後にした我々は、比叡山越えルートにパジェロのステアリングを切り、コーナーを攻めるが、先ほどの90のように鋭くはいかないなあと思いながら、それにパジェロはそういう車ではないしねと思い直すのであった。それにしても僕ちゃんのディフェンダーはいつになったらお船の迎えが来るのだろうか?当分落ち着かない日々が続きそうだ。
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