Defenderピヨピヨ日記(NO69 愛車を擦った後の絶望感からの脱出方法)

Defender購入後日記

 防人が愛車のさきもりちゃん(ディフェンダー90)を擦ってしまったのは7月24日のことだった。だからまだ4日しか経っていないので、今回のブログのテーマ「愛車を擦った後の絶望感からの脱出方法」を防人が知っているわけではない。本心は「脱出方法を誰か教えてくれ」というのが心の切なる叫びであり、現在も絶望感の真っ只中にいるのである。このような出来事を十分時間が経過してから、笑い話(または武勇伝?)になってからブログに書くと恐らくは説教節的内容になり、上から目線になるのだろう。だから、さきもりちゃんをガリガリやって4日目しか経っていない現在の心の切なる叫びを書いておくと、それは地獄的状況からの断末魔の叫びであり、どん底の下から目線となり、もしかしたら同じ境遇の人々の慰めにもなるかもしれないと思ったので、書くことにしたのだ(今日は日曜日で仕事休みなので、本来ならドライブとか出かけたくなるのだが、現在は「また擦るのではないか!」という強迫観念にも近い思いがこみ上げてきて車を運転する気にならないのだ。だから、暇なのでブログを書くことぐらいしかやることが無いというのが現実的な理由かもね)。

 ここの黄色の楕円で囲ったところが、今回の事故場所である。当日はさきもり号はもっと壁際に近いところ(助手席には乗り込めないくらいの所)停めてあった。クスノキからの落葉、細かい粉の落下、鳥の糞が気になったからだ。
 二代目パジェロ(30年間で三台のパジェロに乗り継いだ)も同じ場所で擦ってしまった。古傷に加えて、今回のさきもりちゃんとの接触で新たに傷が加わったブロック塀。一層のことこんな壁、破壊してしまうかッ!
 事故当日は、まず、水色線に沿って車を移動。そこで、仕事の書類をリュックに入れたかどうかが気になったのだ。道の真ん中だったこともあり、ステアリングを戻し、黄色矢印に沿って車を敷地内に戻す。確認後、最初の操作(水色矢印操作)をやった事を忘れ、再び水色操作と同じことをやってしまった。しかし、現実は赤矢印操作をしたことになり、壁にさきもりちゃんをガリガリ擦り付けてしまったのだ。こちらとしては全くいつも通りの操作と思っているので、"恐る恐る"とか"ゆっくりと”などの手加減はまったく無くガツンとやった。

 車を擦る音を「ガリガリ」と形容されることがあるが、現実はこんなかわいい感じのものではない。もっと、重低音の車体を通して運転手に伝わってくる何とも言えないイヤーな響きである。その瞬間、頭が真っ白になっているのか「やってしまった」というような感情は浮かんでこない。直ちに車を停めて、擦った個所を見に行こうと思うのだが、これが何とも恐ろしい時間の流れで、出来ることなら大したことが無いようにひたすら祈り続けながら、擦ったであろうさきもりちゃんの左サイドに回り込んだのである。目に飛び込んできたものは、ホィールアーチプロテクションが外れかけた状態で車体側面にへばりつき、擦り傷が付いているが、他への損傷はこのプロテクションのおかげで防げていると思える(思いたい)光景だった。恐らく「大したことになっていない」という思いが被害を極力少なく見積もらせてしまう方向に働くのだろう。職場の駐車場に移動し、再び被害箇所と対面すると、明らかにアルミボディーの形状が押し込まれたように屈曲している。被害がボディーまで及んでいることを思い知らされ、修理費は数十万になることが想像され、極めて陰鬱な気分となる。それと共に「やってしまった。何故あの時!」的な感情が沸き上がり、その時から頭をずっと支配することになる。仕事が終わり、再び駐車場で傷と対面すると、タイヤの擦り傷に初めて目が行き、ホワイトホィールのペイントがはがれギザギザになっていることを認識し、更に落ち込む。そこから家への運転は何だか心臓がドキドキして落ち着かず、擦ってもいない自分の体の左側が痛いような気分となり、一刻も早く運転という行為から逃れ、安全圏に避難したいような思いに苛まれることに。夜、傷の写真を眺めながら、それらを添付ファイルにしてランドローバー京都のN美さんの所に送る作業をしているとき、「どう考えてもフジホワイト化したサイドステップが無事であるはずない」という思いが込み上げてきて、外に出てさきもりちゃんの左側に行き、サイドステップに手で触れてみると、ザラザラ状態で凹みまであることに気が付き、心身ともに凹む。50万円が秒で溶けていったと確信するが…!

 その日の夜はあまり寝ることが出来ず、疲れを引きづったまま朝を迎えたのだが、とてもさきもり号で出社する気力は無く、疲れた心身と共に自転車で出勤することに。午前中、昨日送った被害写真の大まかな解析を終えたサービスのN美さんから電話があり、事態は深刻で被害箇所すべてを元通りにするには100万円レベルのお金がかかることが報告され愕然となる。保険ですべて治すと保険料がいくらアップするのか、妥協して部分的に実費で直すといくらになるか、民間工場での修理の見積もりを取ってみたりして、それらを総合的に比較して今後の作戦を立てましょうということになり、ひとまず電話を切った。職場では”秒で100万円溶かした男”として人気者となる(みんな、他人の不幸は蜜の味だなぁー!まったくッ!!)。夕方、N美さんから電話来て、防人が長期保険に入っていたこともあり、等級3ダウンしても、二年後の更新時には20等級で更新可能であること、免責などで10万円レベルの出費で済むことなどが伝えられる。民間工場でやってもらったとしても、いくら何でも10万円で修理することは不可能なので、保険ですべてきれいさっぱりに治してしまうのが今回は最適解ではないかということになった。この連絡でかなり気持ちを持ち直すことが出来た(まあ、ディフェンダー購入時に5年一括の高いお金を払っているのだから、このような時に助けてくれないとね)。

 愛車を擦ってしまった時、そのショックから立ち直る方法は今のところよく分からないが、こんな感じの振る舞いが良いかもしれないと勝手に思ったことを列挙してみよう。

《その1》時の経過に身を委ねる。
 日にち薬、時薬と言われるように、とにかく時間が解決。ただ、問題なのはその時間が経過する間のたまらない凹み感(車も凹んでいる)をどのように紛らわすかということである。

《その2》ディーラー、保険会社に連絡する。
 兎に角、傷と客観的に向き合い、ディーラーや保険会社に連絡し、現実的な問題(修理費用)と向き合う。必要ならば、民間工場を回り、合い見積もりをとり相場を把握する。今回、ネットで色々調べてみたが、ディーラーで180万円の修理費用と言われたが、民間工場では70万円くらいで修理出来たり、とだいたいディーラーの半額以下になることが多いようなので休みの日は民間工場巡りをして時間が経過するのをひたすら待つ。防人も、保険で思うような状況ではなかった時は、休みの日(つまり今日か!)は名古屋のランドローバーの下請け工場などを回ってみようと思っていた。

《その3》自転車でサイクリング。
 車とは異なる手段で気晴らしをする。散歩もいいかもね。車を擦った後は、再び擦るのではないかという不安感や、「何であの時…」と言った後悔、「お金が何十万(防人の場合100万円)も吹っ飛んでいく」という悔しさで、車を運転したくないと思ったり、運転するとなんだかドキドキしたりするので、そのような時は少し距離を置くのが良いような気がする。

《その4》他の人に話して気を紛らわす。
 人に自虐ネタとして、車を擦ったことを喋る。まあ、他人は人の不幸は蜜の味なので、自慢話を聞くより、車擦りネタは遥かに親身に相談に乗ってくれる。このような人の特性をうまく利用して、自分の気分を紛らわすのもよいかもしれないなあ。愛車を傷つけて間もない人には、解決策を理路整然と述べたり、何故そんなへまをしたのかを問いただすのではなく、話を聞き(傾聴し)、共感するというというスタンスがいいのだなあと痛感した。 

 以前、二代目パジェロ擦った時、その時はそんなに落ち込まなかった。育児が忙しく、車は送り迎えの手段と化し、年間の走行距離も1万キロ弱で、オイル交換も点検の時にするぐらいだったので、修理することもなくそのまま乗り続けたのだ。しかし、その後運転の情熱が回復し、長年夢見ていたディフェンダーを購入し、このようなブログも書いたり、カスタムしたりしている最中の出来事だったわけだから、ショックも甚だしいものだった(”だった”て過去形ではないぞ。現在進行形だ!)。まだ、立ち直ったわけではないが、今後、日にち薬で立ち直った矢先に、もし車を擦った相談を持ち掛けられようものなら、満面の笑みをたたえ、他人の不幸からしたたり落ちる蜜をチュウチュウ吸いまくる己がいることが何んとなく想像はできそうな気分になってきている。

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