Defender ドナドナ日記13 (さきもりちゃんの退院とスチール リカバリー ループフック装着)

Defender

 今回でこのドナドナ日記もしばし休憩か。今までのエンストがこれで終焉を迎えるのか、それとも4回目が起こるのか!?それを知っているのは車の神様だけだろう。ただ、今回の長期入院で、今後何が起ころうと可能な限りさきもりちゃんに乗って行こうという決心みたいなものが形成されたように思う。現在ではディフェンダー90は1000万円以上するので、防人家の経済力を遥かに超えており、丁寧にさきもりちゃんをメンテナンスしながら乗っていくしかないのだと、ある意味開き直りに近い気分になれたのだった。それと、一連の修理におけるランドローバー京都の対応に絶大なる安心感が形成されたというのも大きい。今後のカーライフにおいて、エンスト問題以外にも何かトラブルは起こるのだろうから、そのような時は安心してさきもりちゃんを入院させることが出来る。まあ、問題は防人側の経済力だろうねえ!(いざとなったら深山幽谷の谷でイワナを釣って、それを京都の料亭にでも売って修理代にするかなあ。なんとも非現実的な!)。

 7月9日(火曜日)早朝4時30分に名古屋の家を出発。代車ディフェンダー君との生活も、そして、メリディアン音響システムの心地の良いサウンドとも、この200㎞弱のドライブでサヨナラということになる。入洛ルート(京都に行く道順)も色々迷ったのだが、結局は最近気に入っている清洲、海津、養老、関ケ原、米原、琵琶湖大橋、途中、大原三千院ルートで行くことにした。今回の4カ月弱の代車ディフェンダー生活では、9000㎞ほどの道のりを走ったことになり、前回のディスカバリースポーツの5000㎞と合わせると、1万4千キロを駆け抜けたわけだ。防人はオイル交換を5000㎞に一回行っているので、ほぼ3回分(一回当たり二万円)が浮いたことになる。このようにさきもりちゃんに勝るとも劣らない代車を出してくれたおかげで、長期入院生活のカーライフが豊かになったわけで、本当に感謝感激。

 養老山系の麓を走る県道56号線から見る濃尾平野。右の鉄塔の更に右端が名古屋駅方面。この道はほどほどなアップダウンがあり、運転していてとても気持ちが良い。
 よく寄る中山道柏原宿のトイレ休息所。右奥に駐車場もある。この後、必ずコメダのまろやかミルクコーヒーにストローを突き刺し、飲みながらの至福ドライブとなる。
 さざなみ街道から少しそれた琵琶湖畔の磯という集落。この近くに”磯公民館”がある。時間は7時過ぎ!この後、近江八幡周辺の通勤ラッシュに巻き込まれた。

 ランドローバー京都に到着して、早速サービスマネージャーのNみさんから説明を受ける。Nみさんは祖父母の代から京都に住んでいるようなので、防人が

「それじゃあ、生粋の京都人ですねェー」

というと、

「イヤイヤ、京都では10代住んでないと本当の京都人とは認めてくれまへん。”あの家は京都に住んでまだ100年やから、京都人ではおまヘンでぇー”という思いが根底にありますからなぁー」

とのこと。生粋の京都人の住処は、先祖代々隣同士が変わらない(世代は変わるが)。そのため、界隈でいざこざが起こると困るので、会話も穏やかに拒絶するという文化が根付いたらしい。例えば

「へーイッ!カノジョーッ!一緒にご飯食べに行かな―いッ」

と誘った時、答え方は同じ

「へ―ッ、おおきにぃ―」

だったとしても、拒絶と快諾の二つの可能性があるとのこと。

「へ―ッ(下げる)、おおきにぃ―(下げる)」だった場合は拒絶、

「へ―ッ(あげる)、おおきにぃ―(あげる)」だった場合は快諾、

となるらしい。また、とても有名な話だけど、人の家に長居をした場合、「早く帰りなはれ」と直接的な表現はせず「ぶぶ漬け(京都のお茶漬け)でもどうどす?」と言われるらしい。このように物事をオブラートに包んでやんわりと伝え、隣同士のいさかいを極力少なくし人間関係のギクシャクをなくそうとする京都人の気質を表すエピソードとしてこの”ぶぶ漬け”はよく知られている(都市電伝説として?)。そうは言っても、このご時世、こういう意味での生粋の京都人は少なくなったようだが、現在でも京都には「白足袋はん(しろたびを履いた人)」という京都人が生息していて、僧侶、裏千家表千家の茶人、西陣の織物の老舗(しにせ)の社長さんなど究極のcelebrityの方々がいるらしい。京都というところは、防人のように観光で訪れる人の見え方と、そこに住むことで見えてくる京都の側面とはずいぶんと異なったところなのかもしれない。Nみさんとはたいそう話が盛り上がって、途中から営業Dさんも加わって(今日は営業のM田さんは仕事が立て込んでいて、とても忙しいらしい)、内燃機関の事、EV車の事、骨董芸術品の事、更には量子力学の事など多岐にわたり、随分と話し込んでしまった。しばし話し込んでいると、受付の女性が現れて

「防人さん、ぶぶ漬けでもどうどすぇー?」

と聞かれたので、

「しゃけ茶漬けをお願いします」

と言いかけて、「アッ!ここは京都京都。郷に入っては郷に従え」ということで、そろそろお暇することにした。実は、防人としては、この後、琵琶湖でちゅり(釣り)をしようと思っていたのだ。

「荷物の積み替えとか、一人でゆっくりやりますので、お見送りとかは結構です」

と伝え、ショールームから出て、ちゅり竿などの積み替えを黙々と行う。さきもりちゃんのお尻には、今回の長期入院時にオーダーしておいた黒光りする牽引ループ型フックが新たに装着されている。ルーフキャリアーに登攀する時や、荷物の固定をする時にこのフックを足掛かりにできるのでとても楽で安全になった。もちろん、さきもりちゃんがスタックした時(ダートで抜け出せなくなった時)はソフトカーロープとかをこのループに引っかけて救出してもらえるわけで、まさに、一石二鳥三鳥の逸品ではないかと妄想したのだ。

 左が代車ディフェンダー君。その隣が我が"さきもりちゃん"だ。興味がない人には区別つかないだろうねえ。これらの違いを探せ。
 退院後、滋賀の坂本にやってきたさきもりちゃん。よーく見ると、何かがくっついているぞ!よーく見てみよう(黄色の円の中)。
 ループけん引フックが装着されたのでした。スタックした時、このフックにロープ掛けて、引っ張り出すことが出来るのだ。基本的使用目的は、ルーフキャリアーに登ったり、荷物を装着するときの足掛かりとして使うつもり。寄りかかって腰掛にすることもできるかな。

 以下の4枚の写真は、忙しい作業中にNみさんに無理を言って撮ってもらったものだ。

 後部バンパーを取り外して!なんと、マッドフラップも取り外すんだなあ。
 そして、ボルトを外し黒い部分を取り外す。
 取り外した所に新たな黒色のループフック形状の部品を装着しボルトで固定しなおす。
 バンパーを元通りにはめ込むと完成だ!さきもりちゃんも少しずつアップグレード中。

 ディーラーをひっそりと出発して、北白川別当の交差点を山中越え(下鴨大津線)のルートにステアリングを切る。久しぶりのさきもりちゃんは、代車ディフェンダー君に比べてアクセルの反応が機敏に感じ、ステアリングの切れも良い。これは、やっぱり3万キロ以上乗り慣れてきたマイカーだからなのか、ECUを新しくしたからなのか、電子制御アクティブディファレンシャル装着車だからなのか、ハンドルがウレタンハンドルだからなのか(代車ディフェンダー君は革製のハンドルだった)、よく理由はわからないけど、兎に角、体になじむのだ。やっぱり、さきもりちゃんは最高だね。

 比叡山を越えて、大津に抜け、そこから坂本、そして、釣の予定場所である雄琴港を目指した。本当は水がきれいな湖北が好きなのだが、この日は雷の可能性が北ほど高かったので、南湖で帰り道にある雄琴にしてみたのだった。雄琴と言えば、札幌すすきの、東京歌舞伎町、名古屋錦、福岡中州、そして、大津雄琴と言われるだけあって、歓楽街、風俗街として有名なところだ。まあ、防人はこのようなところに行ったことはないのだけど、釣の仲間は目の色を変えて通っていた。そんな、雄琴も夜のイルミネーションに彩られた晴れやかな姿に対して、昼の姿は全く別物で、昭和のバブル期前後の懐かしくも物悲しい、ややさびれた場末的な雰囲気が漂い何とも言えない。雄琴の建物群を眺めながら、昼飯のチャーハンを温め、お味噌汁と一緒に食べているとなんだか昔に戻ったような懐かしい気分となり、防人は昭和時代の思い出に浸りきるのだった。その後、ちゅり(フライフィッシング)をやってみた所、6番の竿(渓流釣りから考えるととても強力、琵琶湖レベルではやや力不足)で毛バリを投げ込んでみると、果敢に毛バリにライズしてきて、チビバス君(20㎝台)とブルーギル君が釣れてきた。写真は藻とかが絡んであまり気持ち良いものではないので掲載はやめておく。

 坂本の駐車場から見た近江富士(黄色矢印)。この写真の左方向のこちら側に雄琴がある。
 日頃、渓流釣りばかりなので、雄琴の風俗街を見ながらの釣りとは不思議な感じだ。
 急激な雷雨でさきもりちゃんのナビは真っ赤に!隣のうちわはランドローバー京都が祇園祭と協賛しているらしく、Defenderと印刷されている。マニアにとってはたまらない逸品だ。

 南湖の方は大気安定して大丈夫かと思っていたら3時過ぎに、比叡山の方に雷雲が形成され始め、お空がゴロゴロ始まった。こんな中、電気伝導性の極めて高いカーボンの釣り竿を振っているのは、自分が避雷針になっているようなものだ。そそくさと釣りを終わりにして、一通り片付け終わってさきもりちゃんに乗り込んで、エンジンをスタートするとドシャ―ッと激しい雨。間一髪だった。

 帰りのルートは永源寺から鈴鹿山系を越えて、桑名経由にした。途中、松任谷由美の”真夏の世の夢”がBGMでかかりだして、ドラムの響きも良かったので、無意識に

「やっぱり、音質がいいわッ!」

と思ったのだが…!待てよ、これは帰り道だから、代車ディフェンダー君ではなくて、さきもりちゃんである。さきもりちゃんの音響システムは…。

 どうも、防人の聴覚はメリディアンでなくても関係なかったのかもしれない。帰り道も行き道と同様に十分に音楽を楽しめた防人だった。

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