職場で女帝殿の前を通り過ぎた時、
「防人さん、ちょっとこっちへ!」
『ヤバイ、また何か怒られるのか』と思い、恐る恐る女帝殿の所へ行くと、
「車はどうなったんですか?」
と聞いてくるではないか。
「再び入院です。長期になりそうですね」
「防人さん、こんな状況でよくもまあ、こんなにのんびりへらへらしていられますね。普通なら、ただでは済まされないことですよ」
「と言いますと?」
「もっと厳しくやり合うというか、専門家の意見を聞いてしっかり対応しないと!まあ、防人さんは発達凸凹(発達障害の一歩手前)だから、平気なんですかねェ!。エンジン止まったり、雨漏りしたりなんて言うことは普通はあってはならないことなんですよ。このようなことが平気というのは…」
「イヤぁー、僕も平気ではないですよ」
「何度も言いますが、だいたいですね、娘さんとか息子さんが進学や塾とかで大変な時に、ディフェンダーなんか買う時点でどうかしてますけどね」
「ハぁー、弁明の余地がありません!しかし、一度しかない人生ですからね」
「そう言う問題じゃありません。本当にもうーッ!…」
こんな感じで、防人は職場の女帝殿によく叱られるのである。まあ、社長が一番叱られているのであろうから、僕は二番目に叱られているということか。まあ、付き合いも30年以上となり、母親以上に長い関係だから、かなりビシビシ叱られるのである。
3月から4月の初めにかけては仕事、娘の引っ越し、体調悪化などが重なり、桜の最盛期を見逃してしまった。4月14日の日曜日はハンバーグdayにしたので、丸明にひき肉を自転車で買いに行くことにした。であるなら、見逃した桜を愛でながらお弁当でも食べようと思い(4日前の水曜日も似たようなことを考えていたなあ)、春日井のふれあい緑道を目指す。緑道近くのホットモット(ホッカホッカ亭とは違うのか?)で唐揚げ弁当ご飯大盛りを買い、緑道のほぼ散ってしまった桜の木の下に腰掛けた。風が吹くと、桜の花びらが乱舞し、目の前の小川に落ちる。川面には無数の桜の花びらが漂い流れていく。一週間前はすごい人だったのだろうが、ほぼ散ってしまった桜たちを見に来る人はほとんどいない。
散る桜、残る桜も、散る桜!

春日井の落合公園という所の近くにあるHottoMottoで唐揚げ弁当を購入した。ここからふれあい緑道はすぐである。

サクラの満開の時期は過ぎ、花見の人はほとんどいない。しかし、防人はこの時期の桜が好きである。

お弁当を広げたら、桜の花びらが一枚、ご飯の真ん中にやってきた。風流だ。

ふれあい緑道脇には沢山のハニワ(子供たちが作った?)が置かれていて、独特な雰囲気。
唐揚げ弁当を食べ終わり、川面を流れる桜の花びらを眺めながら、ふと、二年前のディフェンダーの試乗から現在までのことが思い出されて来た。
初めてのランドローバー京都でのディフェンダー110の試乗、購入を巡る奥さんとの壮絶なバトル、予約金100万円をリュックに入れて比叡山越えしてディーラに届けに行ったこと、コロナ感染とディフェンダー90の試乗、軽井沢のディフェンダーカフェに行ったこと、奥伊吹でのディフェンダーによるオフロード体験、自動車運搬船の追跡、待ちに待った納車式と車祓い、サングラスホルダーやピクニックテーブルの装着、給油口のロック機能の回復、さきもりブログの開設、さきもりちゃんの一カ月点検、中さんのレンジローバー試乗と契約式、中さんのアーバンナイトディフェンダー納車、さきもりちゃんの半年点検、さきもりちゃんの一回目のエンスト、サイドマウントキャリアとルーフキャリアの装着、10日間にも及ぶ大宰府への旅、てんぷらさんのディフェンダー90の納車と情報交換、さきもりちゃんの一年点検と娘との京都食い倒れ旅、二回目のエンストと代車ディスカバリースポーツとのカーライフ、中さんのレンジローバーSE納車式、さきもりちゃんの退院と宝ヶ池のハンバーグ、娘の引っ越しと三回目のエンスト、代車ディフェンダーによるメリディアン体験、…。まだまだ色々あるが、それにしても濃厚な二年間であった。ディフェンダーを購入していなかったら、これらのことが全くなかったわけだから、スカスカの二年間になっていたかも。
だから、防人にとってのディフェンダーは単なる移動手段としての車ではないのである。子供が生まれた時、今まで足を踏み入れたことが無いような場所、つまり公園やテーマパークに行ったり、色々な電車に乗ったり、見ず知らずの人と話し知り合いになったり、と世界が広がったと思った。それと同じようなことがディフェンダーを購入して起こったわけで、これはもはや僕の中ではディフェンダーは家族の一員、つまり、さきもりちゃん(擬人化)となっているのだ。だから、故障したから返品して終わりとはならないのである。
また、ランドローバー京都のディーラーとしての対応も今まで経験したことが無いくらい素晴らしく、二年間(納車前の7カ月と納車後の一年ちょっと)のディフェンダーライフが濃厚になったのも営業のM田さんをはじめとした周囲のスタッフの人柄によるところが大きい。
しかし、事は複雑である。現在のさきもりちゃんの症状はエンスト(エンジンストール)である。最初のエンストは走行中であった。二回目はエンジン始動時。三回目はエンジン始動して出発しようとしたときだ。どれも、エンジン始動時か始動してから数分以内である。しかし、数分以内なら高速のパーキングとかで、エンジン始動して、本線に出てからエンストなんて可能性もあるわけだから、そんなことになったら大変な事故になるかもしれない。これが雨漏りなら、雨漏りごとに後手後手に対応するということも許されるだろう。しかし、エンストはそういうわけにはいかない事象である。「一応直しましたから、また四回目エンストしたら来てください」は許される台詞ではないはずだ。だから、今回は完璧な原因究明がなされなくてはならないと思っている。
だが、一回目のエンストの修理の時、まだ、この時はことが切実とは思っていないかった防人であり、サービスの人が
「履歴が残らない場合は、カンで直すしかないのですよ」
というセリフにそう過敏になっていなかった(中さんは敏感に反応したのだったが)のだが、現在、このような状況になってみると、「勘に頼るしかない」=「治らない」と言っているように思える訳で、何とも言えない不安な気持ちになるのである。その上、二回目のエンスト以降の長期入院で、メーカーと連絡し合ってきっちり原因究明したはずなのに三回目のエンストだ。防人個人の勝手な思いだが、もう直すことはかなり難しいのではないかと思っている・・・。といったことを書いた次の日、サービスのM田さんから連絡が来たのだ。内容はさきもりちゃんの今後の治療方針についてだった。
現在、エンジンのEFI:Electrical Fuel Injection(or ECU:Engine Control Unit)を取り外し、英国本国に送って、異常がないか調べているとのこと。そして、さきもりちゃんには新しいEFIを取り付けて、エンストが起こるかどうか調べるらしい。つまり、EFI自体の異常を英国で、EFI以外の異常を日本で手分けして調べていくということだ。このようにしらみつぶし的に調べていくと原因にたどり着ける可能性があるような気がしてくる。ただ、今までの経験からエンストが起こるのは半年に一回レベルなので、入庫中にエンストしなかったからと言って、本当に大丈夫かどうか確定は出来ない(まさか半年以上の入院になる⁉)。更に、原因箇所がわからない状況で原因を確定するというのは難しい作業でもある。何とか頑張って原因究明を成し遂げて頂きたいと切に思う。
がッ!しかし、原因究明できなかったらどうなるのか?防人としては「治らないのであればさきもりちゃんを手放すしかない」という結論になるわけで(家族のように思っていたとしても、命には変えられないだろう)、そうした時、メーカーはこの事態をどのように考えてくれるのだろう。
「一年半の間濃厚な時を過ごしたので、それでいいじゃあないですか」
なんてことになるのか。他のランドローバー車でこのようにエンストトラブルが続くという話は聞いたことが無いので、運が悪かったということで諦めなくてはいけないのか?このような悶々とした妄想がどす黒いとぐろを巻いて僕の心の奥底に住み着き始めているのも事実なのである。「治りました」と言われても、「本当に治ったのか?4回目のエンストが起こるのでは?その時運転中だったらどうなるのか?安心して運転できる心理状態になるのか?」という疑心暗鬼が根底に渦巻き出してもいるのである。『散る 桜、残る桜も、散る桜』という歌に、『我がさきもりちゃんは故障した。現在元気に走っているランドローバーの車もいずれは故障車よ!』なんてことを考え合わせることは、心が偏狭になりいじけ虫(🐛)が住み着き始めている証拠だね。
レンジローバーやディフェンダー(旧型)を維持しているオーナーの話では、「環八でエンストして、周囲から白い目で見られて大変だったけど、最近は止まらなくなりました」とか、「家族旅行に出かける日の朝にエンジンかからなくなり、家族からは白い目で見られましたが、最近になってようやく安定して調子いいです。家族からは相変わらず白眼視ですが」といったことが語られているので、エンストぐらいで大騒ぎすることではないのか。だんだん自分の立ち位置がわからなくなってくる今日この頃なのである。我が社の女帝殿は「ありえないこと」と仰せだし、奥さんは今回のエンストを経験して「保証期間が過ぎたら日本車に切り替えだ」と声高に叫んでいる。原因がはっきりわかり、治れば問題はすべて解決するかもしれないが…。さきもりちゃんには10年以上or20万キロ以上乗りたいと思っているのだが、黄色信号、もしかして赤信号が点灯しているのだろうか。
このように未来のことを考えていると、暗くなるのでこの辺でやめておくか。映画スターウォーズでマスタヨーダはアナキンに「未来を感じる時は用心が必要だ。喪失への恐れは暗黒面につながる(Careful you must be when sensing the future, Anakin. The fear of loss is a path to the dark side.)」と言っていたよな。また、ヨーダは「恐れはダークサイドに通じる。恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛へ(Fear is the path to the dark side. Fear leads to anger. Anger leads to hate. Hate leads to suffering.)」とも言っておったな。さきもりちゃんを喪うという未来的な恐れはダークサイドへと通じているか。ダークサイドに落ちたなら、アーバンナイト的なダークなV8ディフェンダーとか買うかね(金ねえよッ!奥さんに殺されるよ‼)。兎に角、「フォースと共にあらんことを(May the Force be with you!)」と思っておきませう。

ソメイヨシノは散ってしまったが、サトザクラというか八重桜?がこれからは元気に咲き始める。

上飯田の御用水の所にも、八重桜がきれいに咲き始めていた。ソメイヨシノに比べて見に来る人はホント少ない。

モコモコッとした花、もう少し立つと葉っぱが黄緑色となり、なんともかわいい感じの八重桜。ソメイヨシノのような可憐さはないが、僕はこの八重桜の不器用さ(失礼)がとっても好きなのだ。

今年も大福屋さんが御用水の所に来ていた。桜の最盛期に寝込んでいたので、今年はおじさんに会えないかなあと思っていたので、何だか嬉しかった。今日が最終日のようで、大福を安くしてくれた。
最期に一句!
散りぬべき、時知りてこそ、世の中の、花も花なれ、車も車なれ。
これって、細川さんの辞世の句そのものだね。最近、誰かが引退するときに、この辞世の句を引用していたようなしていなかったような!
追伸 ふと思ったが、新型ディフェンダーはスロバキアのニトラ工場で製造されていて、イギリス本国を知らない。そいう意味で、新型ディフェンダー乗りが集まった時に、
「君たちのディフェンダーはイギリスを知らないだろう。ボキのさきもりちゃんのエンジン(の一部の小さなECU基盤)は、イギリスのランドローバーの本拠地ソリハルに行ったことがあるんだぜぃッ!」
的なマウント話が出来るのでは!こんなことを妄想して楽しむことにしようかなあ。
コメント
「勘に頼るしかない」=「治らない」ではないと思います。
メカニックとしては症状が確認できない以上、「勘」というか今までの「経験」に基づいて原因を究明していくしかないということだと思います。
メカニックの素直な気持ちが聞けるということは、いい関係が築けている証拠だと思います。
EFIに不具合が見つかればすっきりするでしょうが、電装系はどちらかというと走行により熱をもってきたり振動による接触不良だったりで不具合を起こす感じなので、始動前後というタイミングを考えるとメカニカル的な部分でしょうか。
そうであれば、例え偶然にも原因だった部品を交換していたとしても直ったとは断言できず、原因は取り除いたのでいつまでも症状がでない。
ディーラーとしても修理完了の判断で困っているでしょうね。
一番困っているのは当然ユーザーですが。
子供はある時期から親と出掛けなくなりますよね。
うちも同じです。
子供が成長した証しなので嬉しいと同時に、やっぱり寂しいです。
ayuさん、こんばんは。
素人の「カン」ではなく、何台もの車を診てきたプロとしての「勘」に頼るということを吐露してもらえることの関係は、とても幸せな状況と言うことなのですね。ランドローバー京都の営業のM田さんにしても、サービスのM田さんにしても、こちらが欲しい情報をわかりやすく、包み隠さずしっかりと伝えてくれるので、本当に良いディーラーに巡り合えたと思っています。特に、トラブルがあった時は心強いですよね。
『例え偶然にも原因だった部品を交換していたとしても直ったとは断言できず、原因は取り除いたのでいつまでも症状がでない。
ディーラーとしても修理完了の判断で困っているでしょうね。』
これは鋭すぎるご指摘でして、これは本当に難しいことだと思います。エンストの間隔が頻繁であれば、該当する部品を交換すればすぐにエンストがなくなり修理完了と結論できるわけですが、半年に一回程度の間隔だという所が厄介ですよね。なんとか、原因が究明される、または、偶然にも部品交換がなされて、修理完了と判断されることを祈るのみです。
防人家では、さきもりちゃんとの大宰府旅行へ行った後から、息子と二人で出かける回数が減っていきましたね。寂しいですが、まあ、子離れしないとなあ!お互い、頑張りましょう(趣味の世界に埋没しましょう。あんまり埋没しすぎると、奥さんに怒られるか)!
こんばんは。
私も現在新車購入3年目のディフェンダー110を乗っており、今年4月から今現在まで同じ症状で修理に出しております。
修理に出しその後1回連絡きただけでその後経過連絡も来ません、さきもりさんのブログを見つけて故障内容が何となくわかりました!
katsuyaさんこんばんは。
なんと、わがさきもり号と同じ症状ですか。なんか同胞が見つかって心強いです。ランドローバー京都のサービスの方の話だと、燃料系の事例でエンストがP300 で
時々起こっているようですが、katsuyaさんも同様ですかね。まあ、連絡来ないということは、まだ調査中ですかね。不安ですよね。
燃料系のモジュール変えて治る場合、燃料ポンプ変えて治る場合、ECU変えて(つまり、我がさきもり号ですが)治るかどうかは、ランドローバー京都ではエンストの最先端(?笑)を行っているので、今後半年間の様子を見ないとわかりませんが、色々のようです。
何とかお互いのエンジンが元気になるように祈りたいですね(まあ、日頃は元気なんですよね。時たまへそを曲げてしまう)。また、何かありましたらこのプログにコメントまたは問い合わせしてください。情報を共有することもできますしね。