Defender購入への道程(ピヨピヨ日記15:罹患)

Defender購入日記

2022年5月22日朝、岐阜県坂内村道の駅「夜叉ヶ池の里さかうち」にいた。フライロッドにリールを装着し、釣りの準備を終えた頃、中さんのレンジローバースポーツが登場した。今日は久しぶりに釣りをすることになっていて、ここ坂内川を選んだのである。

中さんのレンジローバーの加速感はすごかった。それに内装がパジェロと比べ物にならないくらいゴージャスだね。
春の渓流を釣り上がるのは気持ちがいいね。
美しいアマゴが遊びに来てくれた!アマゴ君にしてみたらいい迷惑か!

道の駅に僕のパジェロを置いて、中さんのレンジローバースポーツに乗り込む。

「防人、運転してみろよ」

「えッ!」

「いいから、いいから!」

ということで、運転席へ。流石、レンジローバーはゴージャスな感じで、それが緊張を助長させる。この前のディフェンダーの試乗の時と同様に、エンジンのスタート、Dレンジに入れるのが出来なくて、すべて中さんにやらせることになる。英国貴族になったような気分で、細かいことは配下の者にやらせて、「ワシはただアクセルを踏むだけじゃ!」的気分になる。国道303号の坂道を法定速度で運転し始めてすぐに後ろから日本車のSUVにあおられる。

「防人、もっとガツンとアクセル踏んでみろよ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて!」

いい感じの直線ルートの上り坂、アクセルを一気に踏み込む。レンジの反応は俊敏だ。後方に向けて慣性力を感じ体がシートに押さえつけられる。それとともに、後ろにいた車との距離が一気に開いて、あっという間に見えなくなった。圧倒的な加速感、これがディーゼルなのかという静粛性、そして、高速度でカーブに突入した時の安定感、レンジローバー!恐ろしい車だ。

釣りの方はいまいち魚の活性が良くなく(と魚のせいにしているが、実は我々の腕が良くなく)、11時前後の一時間弱が唯一のねらい目だった。が、そのわずかの時間の間で二人とも楽しめたから良かったとするか。その後はフライ(毛バリ)への反応がなくなり、こちらも集中力が途切れたので、河原でご飯を炊いて、カレーをかけて昼飯を取る。

登山と比べて沢筋は水が沢山あるので、ご飯を作りやすい。今日はコッヘルでご飯を炊いて、「銀座のドライカリー(これ僕好きなのよねー)」をかけて食べる。
雪崩が谷に向けて幾筋も入り、5月の揖斐川源流部はまだ冬の様相を呈していた。
林道をふさいだ雪崩。林道を開通させる作業も毎年大変なのだなぁー!

昼飯を食べながら、中さんが

「この前、ディラー(ランドローバー京都)の前を通ったら、アイガーグレーの90が試乗車になっていたぞ!90買うんだから一度試乗したほうがいいんじゃないか!といっても、もう契約した後だけど」

「ほんと、じゃあ一度、M田さんにメールしてみるか!中さんも来る?」

昼飯後は夕方まで一度も魚は毛バリに反応することなく、虚しく時間だけが過ぎていった。このような状況は釣り人にとって、耐え難いものであるが、4月3日以降の僕はディフェンダーのことでずーっとワクワクしているので、魚が釣れなくてもあまり気にならないのだ。時の経過がどれだけ退屈だろうが、それは我がディフェンダーに会える時(納車の時)が確実に近づいてきていることを緩やかに物語っていることに他ならない。釣り終わり、道の駅に戻り、コーヒーを飲みながらディフェンダー、レンジローバーやディラーのM田さんの話でしばらく盛り上がり、話も区切りがついた5時ごろ、中さんは西へ、僕は東へとステアリングきり帰路に就いた。その後、色々と日程を調整して、ディフェンダー90の試乗日は8月7日の日曜日に決まった。僕の夏休み真っただ中の日だ。ワクワクワクッ…!

坂内村の道の駅「夜叉ヶ池の里さかうち」にて。レンジローバーとパジェロを眺めながらコーヒータイムもなかなかいいね。中さんとだと、ついつい昔話も盛り上がり、すっかり話し込んでしまった。

7月31日の夜、

『こんばんは、防人です。今日で仕事がひと段落して、明日から二週間ほど夏休みです。8月7日の試乗は午後1時から2時ごろにM田さんの所に伺う感じでよろしいでしょうか。…』

とメールを送信した時、なんだか喉がいがらっぽいと思った。翌日の午前中は息子のトクチンと留守番で家にいて昼飯のラーメンを作ったのだが、二人とも食欲がないし、元気が出ない。気が付くとトクチンぐうぐうと寝だすし、こちらもウトウトしてしまう。奥さん帰ってきたころには明らかに熱っぽくなっていて極めて怠い。熱は38度!トクチンと共に即病院に行かされてPCR検査すると、明白なコロナ陽性。夜から熱更に上昇し39度~40度、トクチンは40度で二人とも一緒に部屋にまとめられて隣同士で爆睡。夜中に目が覚めると、隣でチンチンに熱くなったトクチンが爆睡中。こちらもすぐ爆睡。

2日もひたすら爆睡で、ご飯を食べる気もしない。

3日目は多少熱が下がり、37~38度台をウロウロ。しかし、極めて怠く食欲全くなし。この夜からのどの痛みが激しくなり、つばを飲み込むのもつらい。

4日目、奥さんのお母さんから松屋の牛丼の差し入れがあったが、並盛の半分も食べられず。喉極めて痛い。しかし、熱は下がり、36度やや高め。体重5㎏減る。昼過ぎM田さんの所に試乗キャンセルのメールを送る。何とも大人げないメール。

『ピェーン!奥さんも書きました通りコロナ陽性となってしまいました。8月1日から11日まで蟄居(ちっきょ)処分を受けてしまい、夏休み最大の楽しみにしていた試乗に行けなくなってしまいました。ウワァーん。結局、僕の夏休みは12日から14日の3日間になってしまいました。ウェーん!』

5日目、熱は完全に下がるが、のどの痛みは引き続きありかなりつらい。但し,お腹がとてもすいたので銀座のカリーを食べる。この5日間ほぼ絶食状態だったので、カレーの味の細部まで、大げさに言うと使われているすべての材料がわかるような研ぎ澄まされた味覚になる。奥さんと娘がダウンする。コロナのリレーだ。

6日目、30年間使ってきたシェービングクリームの匂いが別物と感じるようになる。お腹すいたのでペペロンチーノを作るべくガーリックを炒めてもあの香ばしいにんにくの香りは漂ってこなくて、オリーブオイルとフライパンの加熱臭のみが匂うだけ。”おーいお茶”はシャンプーの味。家の匂いが全く別の匂いに変化。のどの痛みはなくなってくる。

7日~9日目、やる気が全くでない。鬱か!仕事辞めようかなあと思ったり、ディフェンダーの購入キャンセルしようかと思ってしまう。病的なやる気のなさ。

10~11日目、息子に数学を教えようとして、分配法則や平方完成が極めて苦痛になっていることに気が付く。これは職業柄ヤバい!しかし、どうすることもできない。

蟄居が明けて、休みもわずかなので、トクチンと岐阜の根尾川支流能郷谷へ行く。ちなみに、トクチンは熱が下がった後は後遺症もなく、ケロッとしていて、インフルよりはるかに楽ちんだったと言っていたな。こちらはまだ味覚が変。やる気は徐々に出てきたかな。能郷谷では釣りをするわけでもなく、沢登をするわけでもなく、登山をするわけでもなく、何もせず、ただ、椅子に座って足を渓水につけてのんびりと山や空を眺めるだけの時間を過ごす。こんなのんびりとした過ごし方は人生で一度もしたことがなかった。これはこれで贅沢でよい時間の使い方だと感じ入る。

これこそ夏の谷だね。通常なら釣りをしたくてウズウズするところだろうけど、この日はひたすらポヨヨンとする。まだ、本調子ではないね。
とは言っても、トクチンと石で流れをせき止めて、プールを作ることに夢中になる。しかし、力でないし、疲れるし。出来上がったプールにトクチン大喜び。
入道雲がモクモクしていかにも夏の空だ。水は冷たく風はさわやか。そして、太陽光線は厳しく照り付ける。言うことないね。

夏休みはこれで終わり。ディフェンダー90の試乗は8月後半から9月に延期となった。フゥー残念無念。

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