防人は方向感覚・地理感覚がかなり優れている(と勝手に思っている)。だから、ナビに案内されるなんて言う屈辱的なことはされたくないし、だいたい、出発前に地図を確認し、それを頭の中に入れているので、ナビなしでも大まかには現地に到着できるのである。後は、どこの路地を曲がるだとか、目的の場所がどこの信号を過ぎたところにあるとかについて自分の位置との関係を確認する時ぐらいにナビを起動するのだ。
防人とayuさんは愛知県ハンバーグ連合?の会員である(ていうか、会員は二人しかいないのだけど)。会議の中で、「今度は三好にある”ハンバーグのMiki”に行きましょう」ということになっていた。更に、ayuさんが自転車にハマり出したこともあって、「それぞれの住処からMikiは同じような距離なので、自転車でMikiに集合しましょう」ということになったのである。しかし、実家じまいなどでタイミングを逸し続け、気が付くと世間は暑い真夏に突入してしまっていた。しかし、ayuさんの自転車への情熱はすこぶる高く、連日35度以上を記録する名古屋なのだが自転車で現地集合となったのである。

我が家からみよしに行くには丘をいくつか越えていく。竹の山という場所の丘の上には、アウトドアグッズや防人の普段着購入でよく使うモンベルがある。土日とかは駐車場も満車状態で、相変わらずのアウトドアーブームのようだ。

この岩崎城は小牧・長久手の戦いにおいて重要な役割を演じたお城。膠着状態を打開すべく池田恒興(豊臣方)が発案した"三河中入り"という作戦が、この小さな山城によって粉砕されてしまったのである。もちろん、当時はこの写真のようないかにも的な天守はないはず。
防人の住んでいるところから三好のMikiまではいくつかの丘を越えていくことになる。まずは矢田川の河岸段丘を越え、長久手の図書館がある丘を越え、防人のアウトドアグッズ御用達のモンベルがある竹の山を越え、…、このようないくつかのプチヒルクライムのおかげで朝からすでに防人は汗まるけになっていた。徳川と豊臣の大軍勢がにらみ合った小牧・長久手の戦いで重要な役割を演じた岩崎城を左側に回り込み、川(天白川の支流)が登場したので、その川に沿ってひたすら上流を目指した。この川の上流に愛知牧場があって、そこを過ぎればすぐにハンバーグのMikiに到着だと考えていたので、「約束の時間よりかなり早く着きすぎるなあ」と少し時間を持て余しながらのサイクリングであった。しばし行くと、何だか記憶にある愛知牧場の周辺の雰囲気と異なっているように感じたものだから、散歩オジサンを見つけその人に、
「この川に沿って行けば愛知牧場に着きますよねぇー?」
と聞いてみた。すると、このオジサンの顔がこわばり、答えに窮しているようで、声を振り絞るように
「愛知牧場は・・・、えーと、・・・どう説明しようかなあ…」
「エッ、この川に沿って行けば愛知牧場ではないのですか?」
「イヤイヤ、全然違うよッ!愛知牧場はあっちの方だよ」
とほぼ真逆の方向を指し示されてしまったのだ。
「あんたぁーッ!どこから来なさった?」
「名古屋からです」
「地元だがねェー。”あいぼく(愛知牧場のこと)”に行くのに迷うなんて方向感覚悪いねェーッ」
と言われ、返す言葉もなくスゴスゴと散歩オジサンの指示に従い、東名高速に沿う脇の道を三好方面に向かい、30分ほど余分に走行してやっと愛知牧場に到着。その後は順調に走り切り、トンチンカンな回り道をしたのにもかかわらず、一時間も早くハンバーグ屋さんに到着してしまった。「まあ、時には猿も木から落ちる?ということなのだ」と言い聞かせ、「時間には余裕で間に合っているところが防人のすごいところ?だろう」と新たな長所を見出して自信を取り戻すのであった。

恐らく天白川の支流。川の両岸にいい感じの道があったので、そこをひたすら上流に向かってしまうという失態を演じてしまった。三好とは全く逆の方向に進んでいたのである。方向感覚の天才も時には失敗することもあるのだ。

尾張・三河の衆から"あいぼく"の名で親しまれている「愛知牧場」。ここは牛の乳しぼりが出来たり、BBQ(ここにいる牛を食べるのかなあ?)を楽しんだり色々盛りだくさんな所だ。子供たちが小さい頃はお世話になったなあ。

10時30分、三好の"ハンバーグのみき”到着。少し早く着きすぎたかな。近所の公園(坂上公園)に行って、水場で頭から水をかぶり、タンクトップを濡らして木陰で暑さを凌ぐ。

11時30分から営業開始なので、流石に一時間前では誰も来ていないね。しかし、11時15分に戻ってきた時には、車が3台停まっていて、我々が並び出すと、周りの人も出てきて並び始め、5分前には20人前後の列に成長。

これは防人が注文した牛100%のハンバーグで、防人が自身で作るタイプに似た感じであった。付け合わせのスパゲティはトマトソース味。ハンバーグソースはデミグラスだ。

ayuさんは合い挽きハンバーグを注文。付け合わせのスパゲッティは塩胡椒味だったかな。こちらのハンバーグの方がよりまろやかな感じで、ご飯には合っているのかもしれない。

食べ終わってお店を出る頃には、店内では大勢の人が待っていたし、外の駐車場も満車状態。ものすごい人気店なんだなぁーと痛感した。お店の給仕の人も明るく、丁寧な対応で、店の雰囲気は極めて良かった。

この日の暑さを感じられる写真では!(撮影した本人だからそう思うのかなあ)。愛知池の南側を通過し、ひたすら路地を走りまくり、丘と谷をいくつも越えて、炎天下の中2時間半かけて名古屋の会社に出社したのであった。
帰路は表通りを通らず、路地に入り住宅街や丘を上り下りする小さな道を選んでゴソゴソと進みながら職場に向かうことに。このような時は太陽を左手に見ながらと思って見上げると、ナント真上にあるので方向確認には使えなかったが、帰路は(行きと違って)才能が冴えわたり、リングワンデルング(人は道に迷うと、ぐるぐる円を描くように同じ場所を彷徨うことが多いのだ)になることもなく、職場に到着できたのであった。まあ、二時間以上炎天下の中、自転車をエッチラオッチラ漕いでいたので喉が渇きまくりだったが、これは軽い熱中症にでもなっていたかも。この日、防人は仕事が遅番であったのだけど、夜、意識なく寝落ちし、22時40分頃に掃除のおばちゃんに起こされるという失態を演じてしまった。まあ、これも前日の木曽川水系での限りなくボウズに近い釣り、そして、今日の炎天下サイクリングで体が疲れ切っていたのだろう!おかげで職場で十分な休養をとれた防人であった。
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