若い頃は目的地の行き帰りのドライブを楽しむということはあまりなかった。往路は一刻も早く釣り場についてお魚を釣りたかったし、夕方ギリギリまで釣りをするので、復路は疲れ果てて名古屋に戻る頃にはヘロヘロになっていたからだ。登山にしたって、仕事終わって夕飯食べて、シャワー浴びて、仮眠とることなく夜中の12時を待って出発し、北アルプスの槍ヶ岳、奥穂高岳、唐沢岳、…などを登って24時間以内に名古屋に帰ってくること(つまり、次の夜中の12時までにお家に帰ってくること)を課していたので、これはもう苦行以外の何物でもなく、ドライブは睡魔との戦い、登山道は可能な限り走る、飯は歩きながら食べる、みたいな感じで、苦しいことを楽しんでいたということだろう。しかし、最近は違う。釣りも釣れれば(釣れないと大変なことになる…)、半日もやれば十分満足して帰路に着くし、登山も名古屋近郊の低山ばかりなので、時間的余裕も出来たこともあり、自然の中でのランチを楽しんだり、行き帰りのドライブを楽しんだりしているわけだ。だからと言って、苦行好きな防人としては、のんびり過ぎる計画は嫌いなので、行き帰りのドライビング、現地でのフライフィッシングorハイキング、帰ってきた後の夕飯クッキングのトライアスロン競技を意識して休みの日は攻めの姿勢で過ごしているわけだ。
中山道(国道19号)や中央高速を走っていると、中津川や恵那を通る時は毎回、名古屋方面に向かって右手側に長大な裾野を持つ穏やかな山容の笠置山が目に入ってくる。今回は、前々から気になっていたこの笠置山に登ることにした。この山は濃飛流紋岩の巨岩・奇岩が点在し、南側にはボルダリングやトップロープクライミングなどの岩場が、北側にはペトログラフ(ペトロ:岩石、グラフ:文字文様)の巨石群が存在しているので、これらの岩を見ながらのんびり登山を楽しもうと思ったのだ。

笠置ふれあいコミュニティ(笠置ふれあい広場)にさきもりちゃんを止めて登山開始。

笠置ふれあいコミュニティ脇の道路をひたすら登る。

しばらく登ると別荘地を抜ける。きれいに芝が刈られて、手入れが行き届いている建物は美しい。別荘地を過ぎると、道路はダート道路となり、更には登山道化していく。しかし、道幅は広く極めて登りやすい。霧も晴れてきて、天気回復し、期待が持てる。

しばらく登ると林道に出る。そこには『笠置山登山者休息所』があり、簡易トイレもある。登山道は黄色矢印だが、防人はクライミングゲレンデを見たかったので、青矢印方向に進み、林道が曲がった所あたりからトレイルに入ったのだが、それが道迷いのきっかけに…!

細いトレイルはやがて不鮮明になり、道を失った。まあ、適当に登って行く感じか・・・、

所々ボルダリング用の岩が現れて、人の気配が漂う。横に伸びるルートはあったが、無視してひたすら直登すると・・・、

完全に道を失った。苔むした岩場を縫うように直登する。クライミングするつもりなかったけど、結局初心者クライミングの連続となり汗だくに。まあ、登って行けばいつかは稜線に出るし、林道もあるはずだから何とかなるね。

しばらく登ると、ボルダリングのチョークが手掛かりにこびりついた大岩を発見し、ここもクライマーがやって来ているようだ。しかし、今日は道なき道を行くと決めたので、トレイルを探すこともせず、ひたすら直登する。

オッと!傾斜が緩やかになり、巨岩帯が切れて、少し明るくなってきたぞ。

と思ったらダート林道に出た。このまま歩けば登山道だろうけど、無視して再び林の中へGo.

所々に巨岩が点在している。植林もしっかりされているので歩きやすい。

今度は舗装林道に出た。ここから先は素直に林道に沿って歩いて、大岩展望台を目指す。

大岩展望台からの眺め。中央やや右には木曽川が見える。方向的には名古屋方面かな。

大岩展望台で昼飯タイム。飯の間中誰も来なかったので、この景色を独り占め出来たのだ。

大岩展望台とサヨナラして、林道を歩きパラグライダー滑走地を過ぎたところで、右手山側のトレイルに入る。少し歩くと『望郷の森』というキャンプ場?に到着した。

望郷の森から先の登山道は極めてよく整備されていて、階段状になっている。至る所にペトログラフ(古代文字が書かれた大岩)が点在しているようだけど、文字を見出すことは出来なかった。

物見岩からの恵那方面の眺め。

物見岩から冨士見岩へのトレイル。

立派な笠置神社がある。この裏が笠置山の頂上だ。

神社の裏に回り込むと、そこは山頂だった。

『ヒカリゴケ』を見るためには、神社の脇のトレイルを進む。笠置山のほとんどは植林だが、頂上周辺にブナの林が残っている。

ヒカリゴケが生息している洞穴の入り口。階段上がって左に進み、洞穴の奥を覗くと、…。

ヒカリゴケは発光生物体ではないらしい。レンズ状の原糸体細胞で光を集光し、光合成をおこなう。葉緑体は光合成をする時、緑の波長の光を吸収せず、反射するので(だから葉緑体と言うのか!)、苔が緑色に輝いて見えるとのこと。

頂上付近にもペトログラフ(文字が書かれた大石)が点在していた。ブナの紅葉と相まって独特な雰囲気だ。

帰りはきちんと登山道を下る。途中、ヒトツバタコの木が立ちはだかる。このヒトツバタコの自生地は九州の対馬と木曽川周辺に限られているようだ。別名ナンジャモンジャの木とと呼ばれている。

さきもりちゃんの所に戻って来て、しばしポヨヨンタイム。名古屋今池の中屋パンの板チョコパンとお~いお茶でボーッとする。帰りのドライブは中山道(19号線)にもどらず、山の中を八百津方面に向かおうかなぁー!

国道418号線という立派な道が山の上を走っていた。途中立派な橋があり、中央で何かやっていると思ったら、なんと、日本最大のバンジージャンプらしい。見ていたら、ムササビスーツを着てジャンプした人がいたので思わずパチリ。防人的には10万円もらってもやりたくない。100万円なら頑張ってジャンプするかも。

水曜日は大体いつもトライアスロン競技だ。まず、ドライビング、そしてフィッシングorハイキング、再びドライビングとなり、家会場ではクッキングが待っている。今日の夕食は牛そぼろ肉のオムレツだ。夕飯後、コーヒーを淹れて、途中で買ったスィーツ(最近はコンビニスィーツばかりだけど)を楽しむのが、防人にとっての正しい水曜日の終わり方。
この一週間、仕事や実家の整理が忙しく、ブログ書くのが細々となり、先週登ったこの山行記録が火曜日の夜の現時点(23時09分)までかかってしまった。明日はお休みなので、またどこかの山に行かなくてはならないが(仕事忙しいのなら行くのやめろよ!と思うかもしれないが、多動児防人は家で大人しくしていることは出来ないのである)、現時点で決まっていないのである。これからお山の本でも見て妄想に耽るとするかなあ。
コメント