Cafe Lagrange (雨読編1:調和振動子その1)

Cafe Lagrange 雨読編

Mathjax-Latexというプラグインをインストールしてみました。これで、ブログで数式が打てるようになるはず!ということで、本来はLagrangianの多様性(一つの運動方程式を与える色々なLagrangianが存在すること)について書いていきたいのですが、まずは、準備体操(僕自身)で身近のところから出発していこうと思います。texは大学院生時代に使っていましたが、あれから30年経過しほとんど忘れてしまいました。まずは高校レベルから準備体操開始します。。

力学の目標は、物体の運動、すなわち位置座標\(x\)の時間変化、すなわち\(x(t)\)を決定することである。そのためには、\[v=\frac{dx}{dt}\]より、\(dx=vdt\)と変形して積分\[x(t)=\int vdt\]を実行すればよい。つまり、速度\(v\)が時間\(t\)の関数\(v(t)\)として求めることができれば物体の位置の時間変化の様子\(x(t)\)がわかるのだ。以下具体例で示す。

(例1)等加速型の時、すなわち、運動方程式\[m\frac{dv(t)}{dt}=-mg\]から\(\frac{dv(t)}{dt}=-g\)より、一回積分して、\(v(t)=A-gt\)が求まるので、\[x(t)=\int v(t)dt=\int(A-gt)dt=B+At-\frac{1}{2}gt^2\]を得る。

(例2)空気抵抗型の時、すなわち、運動方程式\[m\frac{dv(t)}{dt}=-kv(t)\]から\(v(t)\neq0\)として(\(v(t)=0\)の自明解はつまらないね)すると、\[-\frac{k}{m}=\frac{1}{v(t)}\frac{dv(t)}{dt}\] これを時間で積分して \[\Leftrightarrow \log|v(t)|=-\frac{k}{m}t+C \]より\(\log\)を外すと、\(v(t)=\pm e^{-\frac{k}{m}t+C}=Be^{-\frac{k}{m}t}\)となる。但し、\(B=\pm e^C\)である。これで\(v(t)\)の関数形が求まったので、後は積分して\[x(t)=\int v(t)dt=\int Be^{-\frac{k}{m}t} dt=A-\frac{m}{k}Be^{-\frac{k}{m}t}\]と求まる。

(例3)調和振動子型の時、運動方程式\[m\frac{dv(t)}{dt}=-kx(t)\]から\(\frac{dv(t)} {dt}=-\frac{k}{m} x(t)\)より\(v(t)\)を求めようとしてもうまくいかない。右辺の\(x(t)\)が未知量のためそもそも積分できないからね。ここにきてこの素朴なプログラムは挫折することになる。高校でも扱う(高校では調和振動のことを単振動と呼ぶが)レベルの運動方程式が単純には積分できないことを示している。さて、どうするか?

発想を変えて、\[v=\frac{dx}{dt}\]より、\(dt=\frac{1}{v} dx\)と変形して積分 \[t=\int \frac{1}{v} dx\]を実行してみたはどうだろうか。しかし、この場合は速度\(v\)を位置\(x\)の関数\(v(x)\)で表現しなくてはいけない。このようなことを実行する方法はあるのか?実は運動の第一積分(エネルギー積分)こそがこれを可能にしてくれる道具なのである。ちなみに、この方法で積分に成功すれば、結果は\(t=t(x)\)の形に求まるので、通常の\(x=x(t)\)の逆関数として求まることになる。

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