Cafe Lagrange(晴耕編 鈴鹿山系鈴北岳・御池岳周回ルート 2023.9.17)

Cafe Lagrange 晴耕編

 6月25日にマキノ高原赤坂山に登って以来、登山に行っていなかった。その後、サイドマウントとルーフキャリアーの装着信州の娘の所への顔出し大宰府詣でのための準備大宰府旅行、…など盛りだくさんで山に行く機会がなかったのだ(もちろん、仕事も忙しかった⁉というおまけもつくが)。

 9月17日の日曜日に、ほぼ二か月ぶりとなる登山に行くことにした。今回トクチンは定期試験勉強のため、防人とさきもりちゃん(我が家のDefender90)の二人だ。往路は名神で養老パーキングへ行き、そこで降りて(ETC専用出口)、牧田川に沿う国道365号(一年の日数と同じだね。僕の好きな国道の一つ)を員弁方面に向けてひた走る。この国道365号は滋賀県木之本と岐阜県関ケ原の間でよく使うのだが、関ケ原から南の部分を走るのは随分と久しぶりだ。右手に鈴鹿山系、左手に養老山系、その間に牧田川を眺めながらのドライブは至福の時である。藤原のあたりで、彦根、多賀方面からやってくる国道306号に飲み込まれる形で、この365号は終わりを迎える。彦根方面の306号にステアリングを切り、鞍掛峠に向かうクニャクニャ道を攻める。三連休のなか日とあって、到着した鞍掛トンネル東側の駐車場は満杯。仕方なく、引き返してコグルミ谷登山口やや下にある駐車場にさきもりちゃんを停めて、そこから登山開始。まずは、306号を鞍掛トンネル東駐車場まで徒歩で15分登り返し、そこから登山道に入る。

コグルミ谷の近くの駐車スペースにさきもりちゃんを駐車。ここは20台くらい停めれらるが、この日は4~5台の車が停まっていた。
流石、三連休とあって、鞍掛トンネル東の駐車場は満杯。国道306号は車以上にバイクがクニャクニャを攻めるため、沢山やってきていた。

 県境尾根まで汗だくになって登ると、そこは風が強く、これまでの汗を拭きとってくれて清々しい。しかし、すぐに霧に覆われ見通しは効かなくなる。この稜線からの眺めを楽しみにしていたので、少し残念な気分となるが、足元に目をやると、緑色のきれいな苔のような植物?が鮮やかに霧のモノトーンの風景を引き立てている。しばらく稜線を歩いていると、風と霧が弱まり出したような感じで、うっすらとこれから登る予定の鈴北岳の輪郭が前方に見え隠れし出す。更に、しばらくすると太陽光も降り注ぐようになり、天気は快方に向かっていることを確信する。俄然やる気が出てきて、登るスピードもアップ。

鞍掛トンネル東の登山道入り口!
登山口から15分ほどで尾根道に出る。
朝、稜線は風が強く、視界が効かなかった。
白い世界に鮮烈な緑色が美しい。
ムムムッ!晴れ間が‼正面は鈴北岳かな。
鈴北岳への登りに入る。天気は良くなってきたぞ。頂上では景色が楽しめるかも。
多賀、彦根方面が雲の合間から見えたぞ!
頂上直下の窪地。これは石灰岩地形によくあるドリーネ。

 鈴北岳山頂に到着する頃には霧も晴れ上がり、近江地方の景色が一望できた。山頂は木もなく、360度遮るものがないので、最高の展望が望める。今回は三重側は雲が多く視界が効かなかったけれど、近江側は気持ち良い景色が見えて満足いくものだった。さて、ここから御池岳にかけてはテーブルランドと呼ばれる広大な台地状の平坦部を散策するような形で歩くことになる。伊吹山、霊仙山、高室山、藤原岳、そして御池岳は石灰岩質の地形で、それらの山頂部にはカルトスト地形を観察することが出来る。雨水に含まれた二酸化炭素が石灰岩を少しづつ溶かすことで様々な地形が形成され、例えば、ピナクルという出っ張った部分が林立するカレンフェルト、逆にドリーネという窪地、それが合体したウバーレ(もっと合体するとポリエという巨大な窪地になる)などなど、見ていて飽きがこない。ただ、この石灰岩質の地形はヒルに注意しなくてはいけない。鈴鹿の山で、僕は過去にもヒルに何度かやられているし、マダニにも食いつかれたことがある。マダニはかえしのある針のようなものを突っ込まれるので、自分ではとることが出来ないので厄介だ。それに比べてヒルはデコピン(デコパチ)で弾き飛ばせるけど、その痕から鮮血がしたたり落ちて、しばらく血が止まらなくなるので服が血まみれになりこちらも厄介だ。それに、2~3日目からは痒くなるのがたまらない。以前、琵琶湖の西側の阿弥陀谷という所で、20匹以上のヒルに噛みつかれて、その時は、血まみれになるし、気持ち悪いし、その後、痒くて仕方ないし色々大変だった。梅雨の時期から秋口までは鈴鹿の山はヒル要注意なのだ。

鈴北岳山頂(1182m)から琵琶湖方面を眺める。天気が良くなって良かった。
鈴北岳山頂から少し下るとカレンフェルトがあちこちに点在している。
ドリーネが合体してウバーレ化?
これもウバーレかな。
ドリーネに水が溜まって池になっている。ここは御池岳のテーブルランドと呼ばれる山頂台地の真っ只中。このような池があることが、"御池岳"という名前の由来なのだろう。

 御池岳山頂(1247mで鈴鹿山脈最高峰)は見通しは悪いが、木々があり風や太陽光を遮ってくれるので、ここで昼飯タイムとする。と言ってもまだ9時30分くらいだが、お腹が空いては登山が出来ぬので仕方がない。準備を開始してしばらくすると、先ほど追い抜いた8人パーティーが山頂に到着して、何やら大騒ぎをしている。何かと思って聞き耳を立てていると、どうも仲間の一人がヒルにやられたらしい。そのヒル一匹を捕獲し、伸ばしたり、たたいたり、塩につけてイジメている。

「大の大人がヒル一匹で大騒ぎしおって!こちらは一度に25匹のヒルに吸血されたんだぞ」

的なマウント取った気分でその会話を聞いていた。かわいそうなことは、今回が初登山だった人が、ヒルに吸血されたようだ。彼は、

「これがトラウマとなって、もう山には登れないかも」

とピヨピヨ状態だった。みんな落ち着かな様子で、直立したままの姿勢でカップ麺やお茶を飲んでいる。僕はと言うと、山男の雰囲気を醸し出し、タンクトップ、短パンでどっかりと腰を下ろし、悠然と昼飯を作っている雰囲気を装っていた。内心は、ヒルが昼飯中にやってこないか足元や首回りを定期的にチェックし、かなりビクビクしていたのだが。今日のヒルの、じゃなかった、昼の内容は野菜ゴロゴロのスープカレー、豚の角煮、マカロニサラダである。スープカレーは大宰府旅行で余ったやつを持ってきただけだし、角煮とマカロニはコンビニで購入した奴だ。登山の楽しみは、何と言っても景色鑑賞、昼飯タイム、カフェタイム、そして、汗だくになった後に沢の水でのシャワータイムだ。僕の場合、これらのために登山していると言っても過言でない。

鈴鹿山系最高峰、御池岳(1247m)山頂到着。
まだ9時30分だけど、昼飯(朝飯か)にしよう。
苔むした森。ここはリスがよく現われるところらしいけど、今回は会えなかったなあ。
苔むした岩の間を登山道が通っている。なかなか、風流な雰囲気だ。リスはいないなあ!
赤くきれいなキノコだが、なんか怪しげだ。
これはトリカブトの花だよね。究極の毒草だ。
コグルミ谷とその脇を通る登山道。ほとんどが伏流水となっている。
谷に降りてコーヒー&おやつタイム。1時間ぐらいのんびりした。
Cafe全景。岩の上でポヨヨンとのんびりタイムでした。
コグルミ谷の登山口は306号沿いにある。ここから少し下ったところに駐車場あり。

 予想以上に行程が早く進んだので、藤原岳往復4時間強も視野に入れながら、御池岳から降下を開始。しかし、途中で藤原岳への分岐点を見逃し、コグルミ谷下山道へまっしぐらに吸い込まれてしまった。見る見るうちに高度が下がり、国道306を疾走するバイクの音がまじかに聞こえだした。まだ、12時前である。なんか物足りなさを感じながらも、谷場に丁度よさげな場所を見つけたので、そこで、Cafeタイムを満喫することに。1時間以上のんびりし、その後、さきもりちゃんの所へ。

 帰路は道の駅に寄ったり、多度大社に寄ったり、この濃尾平野では恐らく最安値のガソリンスタンドに寄ったり、コメダのまろやかミルクコーヒーを買って飲んだり、津島の天王寺公園に立ち寄ったりとのんびりドライブでお家にたどり着いた。今宵は”VIVANT”の最終回であり、”どうする家康君”もある。シャワーで身を清め、万全の態勢で(鑑賞しながら食べるコンビニスィーツも買い込んであり抜かりはない)迎えなくてはならない。シャワーから出ると息子のトクチンが塾から帰ってきて入れ替わりにシャワーを浴びに。すると、しばらくして

「ウワァー」

という悲鳴が風呂場から聞こえてくるではないか。

「どうした」

と駆けつけると、トクチンの指さす先には、ヤマビルが頭を持ち上げてユーラユーラ「吸血させておくれ」とダンスを踊っている。なんと、僕は御池岳からヒルを連れて帰ってきたようだ。風呂場のヒルを捕まえて、たたいたり、伸ばしたり、塩をかけて小さくしたり、ガスバーナーでボっとしたり夢中になってやっていたが、これって、御池岳山頂で8人パーティーがやっていたことと変わりないではないか。それにしても一体どこにくっついていたのだろう?どこからも血が流れていないし。ふと、「車の中にまだヒルがいて増殖したりしたら…?火炎放射器でさきもりちゃんごと焼き払うしかないのか⁇」と気になりネットで調べてみると、車の中は水分がないし、夏場の高温ではすぐに死滅するようなので一安心。それにしてもどこにくっついて我が家まで来たのか、頭の毛の中か、リュックとかか!しかし、風呂場にいたのだから僕の体のどこかのはずだ!その日は「?」マークのまま、落ち着かい気分で”VIVANT”の最終回を見たのだった。

多度大社の入り口。この間もヒル君が僕に貼りついていたのだった。
木曽三川公園。今から、長良川を渡る。もちろん、この間も、ヒルが僕の体のどこかで吸血している。

 このブログを書いている現在、僕の右わき腹が赤くただれ、めちゃくちゃ痒くなった。明らかにヒルに吸血された痕だ。ヒル野郎はここに吸い付いて我が家までやってきたようだ。それにしても痒い!

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