去年の丁度今頃(雨期)、阿弥陀山(453m)という滋賀県の湖西地方にある山に登った。阿弥陀山の中腹に太山寺城という山城があり、そこの調査(勝手に見に行くだけだが)も兼ねて行ったのだが…。この山城は、阿弥陀山への登山道から分かれてアミダ谷を経た尾根上にある。蒸し暑いので、いつものようにタンクトップ、短パンで登っていたのだが、アミダ谷の沢音が聞こえてきて、膝くらいの草をかき分けて、沢のそばに立つ山城の案内板の所に出たのだが、ふと、自分の足を見ると黒茶色の長いものが2~3個ほどついてるのを見た瞬間、
「ヤラレタ!」
と思った。ヒルである。中指でデコピン(デコパチ?)の要領でヒルを弾き飛ばすと、奴らの付いていた所から鮮血がしたたり落ちる。急遽、トクチンにレインジャケットを着させて、自分も着ようとするが、再び、どこからやってきたのかわからないが、ヒルが付着している。デコピンで自分のヒル、トクチンに付着しようとしているヒルたちを弾き飛ばし、周囲を見ると、ヒルたちに囲まれていることに気が付いた。これまでは、たっぷり血を吸ってまん丸くなったヒルしか見たことがなかったのだが、血を吸う前のヒルはミミズのように細長く、そいつらが、頭をもたげて左右にユラユラ首を振り、
「血を吸わせておくれ」
と大合唱しているかのような光景である。ふと、映画『エイリアン』で主人公のリプリーが火炎放射器でエイリアンの赤ちゃんや卵たちを焼き尽くすシーンが出てきたと思うのだが、この時初めて心の底からリプリーの気持ちがわかった。このような状況でも、アミダ谷を渡り、城跡を写真に収め、再びアミダ谷を渡り、登山道に戻った時には、靴の中も含め20か所以上をヒルにやられ(息子は一か所のみ)、全身から血を流しながらあたかも火曜サスペンス劇場のような姿になりつつ車にたどり着いたのだった。消耗して、町のコンビニによって、コーヒー(この時はコメダのまろやかミルクコーヒーではない)を飲んで、腕組みをした時、上腕三頭筋の所に突起が!吾輩の血を吸い続けまん丸くなったヒルが付着していたのだ。デコピンで弾き飛ばすと、その痕からは再び血がしたたり落ちたのだった。僕にとっては悪夢のような思い出である。
そんなトラウマがあるため、この時期の山選びは慎重になってしまう。花崗岩質の山には奴ら(ヒル)は少ないので(古生層の山にはうじゃうじゃいるよ)、滋賀県の山の本で探していると、マキノ町にある赤坂山を発見。花崗岩質で、頂上からの展望は抜群、稜線歩きも気持ちよさそう。また、前週、さきもりちゃんエンストし、その不安が一応はあったので、京都に近い山にしておけば万が一の時もランドローバー京都にドナドナ(故障車を運搬してもらうこと)しやすいかもという思いもあった。

おいっ!コラッ‼ 俺のまろやかミルクコーヒーを飲むなッ‼‼

登山者用の駐車場は十分確保されている。この下にも広大な駐車場がある。

キャンプ場を流れる斧研川!アマゴがいた。しまった、釣り竿を持ってくるのを忘れた。

Snow Peak Way 2023が開催されていた。考えてみるとSnow Peakの製品持ってないな。

すごい人でした。みんなSnow Peakの製品を使っていた。レンタルしている人もいるのかな?

テントの合間に、赤坂山への登山口を発見。苦手な人混みから離脱し、静かな登山道を登る。
赤坂山の麓のマキノ高原キャンプ場には、登山者専用駐車場が設けられていて、十分広いので安心して車を駐車できる。さきもりちゃんへのドアパンチもなさそう。支度をして登山口に向かうため、キャンプ場を横切るが、近年のオートキャンプブームもあり、すごい人、すごい数のテント、すごい数の車。みんな思い思いのキャンプグッズを広げ、それぞれのサイトでくつろいでいるようだ。それに、今日は、Snow Peak Way 2023が開催されているためか、テントやタープはみんなSnow Peakばかり。これだけの数のSnow Peakの製品を見るのははじめてだ。まあ、僕的には人混みは苦手なので、足早にキャンプ場を抜けて、登山道に入る。登りはブナの木平、高圧電線の鉄塔、粟柄越え(昔は小浜で採れた海産物をこの峠を越えて運んだようだ。昔の人はすごい)、そして赤坂山頂上へ。

木々の合間から琵琶湖が見えた。

汗だくで登るのも気持ちが良い。

ヤマツツジかな。

エゴノキだったかな?

沢(斧研川の源流)に遭遇。頭から沢水をかぶる。至福の時だね。

鉄塔まで来ると稜線はすぐそこ。マキノ町、琵琶湖、伊吹山など、見晴らし最高。

稜線を走る高島トレイルに合流。

赤坂山(823.6m)に到着。花崗岩がニョッキリと

日本海(矢印)が見える。三方五湖の方向かな!

代り映えしない昼飯だね。もう少し変化が欲しいよね。

反対側は琵琶湖の絶景。メタセコイア並木も見える。
頂上ではコッヘル、ガスバーナーを出して(Snow Peak製品でない。イワタニ製だ)、ハヤシライスを作り、ソーセージを焼いて、味噌汁を作り、コンビニのポテトサラダを盛り付けて、のんびりと食する。一時間以上のんびりしていると、息子のトクチンは退屈したようで、もう出発しようと催促される。これだからガキは困ったもんだ。風流のかけらもない。仕方なく、荷物をまとめ、高島トレイルに沿って稜線歩きを楽しむ。日本海を見たり、琵琶湖を見たり(つまり、この稜線は分水嶺にもなっているのだ)、伊吹山や鈴鹿の山々を眺めたり、ブナ林に突入したり、登ったり、下がったり、花崗岩の露岩を見たり、麓のメタセコイア並木を眺めたり、ハアハアしたり、…。絶えず変化のある稜線歩きであった。一時間弱で寒風に到着し、そこから高島トレイルに別れを告げ、マキノ高原キャンプ場に向けて下山を開始。息子のトクチン、調子よく、オヤジを引き離しにかかる。こちらも、負けるわけにいかないので、必死に駆け降りる。壮絶な親子の家督を巡るバトルが下山口まで繰り広げられたおかげで、50分弱で麓のキャンプ場に到着してしまった。

ずーっと向こうまで稜線歩き。

花崗岩の露岩かな?

メタセコイア並木(矢印)が見える。

稜線をひたすら歩く。気持ちが良い。

寒風からはマキノ高原スキー場へ向けて降る。

ブナ林の中の下りは気持ちが良い。トクチン下り調子よい。

朝はテントでいっぱいだった広場も、ほとんど撤収されて、数張りのテントが残るのみ。

下山に使った登山道の入り口。最後のゲレンデの下りはきつかった。

キャンプ場の河原でCafe Lagrangeでコーヒータイム。登山後のコーヒーはうまい。その後、目の前の川(斧研川)で水浴びをして身を清める。

さきもりちゃんのところに到着する。いっぱいあった車もほとんどいなくなり、数台残るのみ。

メタセコイア並木をドライブする。右側に白のウェディングドレスを着た女性がいるゾ。なかなか、美しい人だったなあ!

海津大崎経由でのんびりドライブ。竹生島が見えるね。木之元、関ケ原、養老、海津、清洲とのんびりドライブを楽しむ。
下山したことを、僕の奥さん、悪友の中さん、そして僕の三人のライングループに報告を入れる。そして、これから二杯目のコメダのまろやかミルクコーヒーを買って、保冷バックでガンガンに冷やして飲むぞ的内容を送ると、早速中さんからの返信で、
「オレのアーバンナイトディフェンダーには冷蔵庫が付いているけど、防人のさきもりちゃんには冷蔵庫あったっけ?」
という挑発的な内容が返信されてきた。ディフェンダーには必要以上の電装品は似合わないと思い、冷蔵庫は瞬殺で却下したのだが、今こうして、ガンガンに冷やしたコメダのまろやかミルクコーヒーにハマってみると、冷蔵庫付けておいた方がよかったかも。それに、今後もこうやって中さんにイジメられることを考えると、ランドローバー京都のM田さん、Dさん、サービスの方、または、マグナス・ハンソンさん、何とかなりませんかねー!
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