Cucina Lagrange NO1 (ハンバーグ論考1)

Cucina Lagrange

 子供のころからハンバーグが好きだった。ハンバーグだけあれば人生それでいいとも思ってしまう。色々なハンバーグを食べてきたが、自分で作ってみようと思ったのはいつの頃だったか?それは多分、今の奥さんと付き合いだしたとき、クリスマスを外に食べに行くのも高いし、混むし、ありきたりだしということで、下宿でハンバーグを作ろうということになった。名古屋栄の三越の地下で高級なひき肉を買い、テリーヌとかクリスマス的なものも買い込み、見よう見まねで作ってみたのだが…、これがbeginner’s luckで大当たり!これに味を占めてその後も作るのだがこれを超えるハンバーグが出来たためしはなく、それ以降、ハンバーグとの格闘の人生が始まったのだ。もう何千個のハンバーグを作っただろうか?究極のハンバーグ、神のひとこねのハンバーグを目指し、今日も自転車でお肉屋さん巡りをする防人であった。

 保冷バックに保冷剤を詰め込み、それをリュックに入れて我が家をスタート。もはや中毒となったコメダ(名古屋人の朝のお供)の『まろやかミルクコーヒー』をファミマで購入し、それを保冷バックに入れる。6角形の5辺を行くような遠回りルートでサイクリングを楽しみながらの買い物である。途中、矢田川と庄内川の合流点にそびえる、富士山に登頂し、そこでまろやかミルクコーヒーを飲み、しばらくポヨヨンとする。その後、飛騨牛専門の店『丸明』に行き、牛ミンチを1㎏購入(グラム当たり298円の安い方)し、保冷バックに入れて家に帰る。以前は豚との合いびき肉を使っていたが、合いびき肉の場合、牛:豚の比率をどうするかという大問題が立ちはだかり、目下僕の中では未解決問題となっている。現在はこの難問を避けるため、牛100%のハンバーグを研究している訳である。ハンバーグの場合、調整できるパラメータの数が多すぎて、その方程式を解くのは至難の業だ。そこに合いびき比率のパラメーターまで入り込んでは問題が難しくなりすぎて手に負えないというのが現状だ。

 GWで娘が帰省したので、ビーフシチューを作ったのだが、そのソースが残った。であるなら、そのソースを使って煮込みハンバーグにするしかないと判断した。ワインをふんだんに使ったソースを付け加えて、ビーフのうまみが詰め込まれたシチューソースと相まって最高のマリアージュとなるはずだ。

 ハンバーグを作るときは買い物も含めて一日がかりである。もちろん、ハンバーグは二日目の方がおいしいから、ハンバーグを食べようと思ったらビーフシチューと同様二日前から行動すべきである。ハンバーグ道にお手軽、簡単などという文字は存在しない。手間を惜しんではいけない。朝食後、まずは、ハンバーグに混ぜる玉ねぎ5個をみじん切りにして炒めるところから始まる。炒め終わった玉ねぎを冷ましている間に買い物に出かけるのだ(夏は冷まして冷蔵庫に入れてから買い物かな)。帰ってきたら炒めた玉ねぎは冷蔵庫に入れて馴染ませる。

ハンバーグだね

玉ねぎ5個、牛合いびき肉1㎏、6枚切りパン一枚を細分、卵2個、牛乳1カップ、塩小さじ2杯、胡椒、ナツメグ、グローブ少々、ケチャップ、ウスターソース

ソース

玉ねぎ2個、ワインカップ5、バター、トマトケチャップ、ビーフシチューの残ったソース

合流点にある富士山。名古屋の公園にはこのような富士山がよくあるのだ。
富士山山頂で飲む、コメダのまろやかミルクコーヒーは最高だ。
山頂からの濃尾平野の眺め。名古屋の南東方面を見る。右上が矢田川である。
大曾根にある丸明。写真では人がいないように見えるが、お店の中は賑わっていたよ。
多めのバターで玉ねぎを炒める。透明になるまで炒める。
ケチャップをたっぷり入れて、根気よく炒める。
不透明だったケチャップが透明の琥珀色になるまで炒める。
ワイン5杯を琥珀色になった玉ねぎに少しづつ加えて、伸ばしていく。ここでワインを飲みながらやると手元がふらついてくるので注意が必要。
出来上がったワインソースをビーフシチューのソースと融合させる。いい匂いが厨房全体、いや、近所中に漂い、お腹が鳴る瞬間だ。
ハンバーグだねに混ぜる玉ねぎの炒め方は未解決の大問題。なるべく炒めた方が良いと思うが、人によっては、水分が飛ばない程度にするとか、煮込みの場合は炒めなくてよいという人もいる。
混ぜ合わせるものたちはしっかりと冷やしておく。間違っても、炒めたばかりの玉ねぎを混ぜたりしてはいけない。玉ねぎもしっかりと冷蔵庫で冷やしておくべし。
もちろん、手でやると冷たくて発狂するので木のへらで混ぜよう。それに手でやると手の熱がハンバーグだねを温めてしまうのでよくない。冷たいまま混ぜ合わせ、冷たいまま成型する。
ハンバーグだねの成型は楽しいひと時。手前の金属プレートのヤツは冷凍庫で保存。
ハンバーグを焼く。最高のひと時。近所にも今晩、我が家はハンバーグであるということを宣言する時間でもある。
煮込みも終了し、ブラウンソースのお風呂に入るハンバーグ達。気持ちよさそうだ。
盛り付け終了し、お釜で炊いたご飯とで最高のひと時を迎える。

 今回はハンバーグだねに混ぜ入れる玉ねぎの量を増やしてみた。いつもは、ミンチ肉500gあたり一個半ぐらいだが、今回は2個半にしたわけだ。そうしたところ、ご飯との相性が極めて良くなった。まあ、後日冷凍したタイプで煮込みでない場合のハンバーグも調べてみないとわからないけど、玉ねぎの含有率が高いと甘さが凝縮して牛100%でもご飯との相性が良くなるのではないだろうか。それにしても、明日(二日目)のハンバーグが楽しみで仕方がない。

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