午前中はトクチンの定期試験のために数学(一次関数)の指導をしていたので、家を出たのはAM10時頃。あまり遠くには行けないので、豊田の東にある松平東照宮の周辺の山を歩くことに決めて、さきもりちゃん(我が家のDefender90!)と1時間ほどのドライブを楽しむ。東照宮脇の駐車場で支度を整えて、天下峯という標高360mの岩山を目指す。この松平東照宮がある一帯を松平郷というらしいが、NHKの大河ドラマ”どうする家康”の影響か、観光客でわりと賑わっていた。今日の夜(2023年11月12日-日曜日)は、いよいよ関ケ原の合戦が描かれるはずで、僕としても家康ゆかりの地を訪れて、夜の放送に向けて意識を高める狙いもあった。
天下峯を選んだ理由は、この山頂は領家変成帯の花崗岩が露頭する所で、その巨大なコアストーンからの濃尾平野や周囲の山々を眺めながらの昼飯は最高だろうと妄想したからなのだ。往路のコースタイムは2時間ほどのようだが(1時間で行ける自信があった。11時ウォーキング開始だから、12時台には昼飯にありつける計算だった)、林道や民家の間を歩く感じなので、山登りと言うより、山村のウォーキング的な雰囲気。地図も”分県登山ガイド・愛知県”に載っている地図をコピーして、それだけを頼りに気楽に出発!がッ、それがいけなかった。この後、大きく道を間違えてしまい、4倍以上の遠回りして、色々な村々を徘徊する羽目に。途中、おばさんとおばあちゃん(娘と母親?)が乗る軽自動車が僕の脇に停まり、
「チョットあんた、仁王という所にはこのまま行けばいいの?」
と迷っている僕に聞いてくるではないか。仁王とは、まさに僕が今向かおうとしている場所で、この方向で良いと信じて歩いていた所だったので、
「そうです、このまま行けばいいです。車ならもうすぐですよ」
と答えたのだった。助手席のおばあちゃんが丁寧にお礼を言ってくれたので、なんか僕は申し訳ない気分になるが(だって、間違っている可能性もあるからね)、まあ、相手は車だし何とでもなるかなあと思い直し、その軽自動車を見送った。その後、僕は野を越え、丘を越え、集落を通り越し、天下峯頂上(360m)にたどり着いたのは午後三時だった。こうなっては、昼飯と言うより三時のおやつ的状況になってしまい、時間も大幅にロスしているので、あまりのんびりすることも出来ず、30分くらいの飯タイムで引き返すことに。この頂上からの眺めはとてもよく、六所山や焙烙山(本来は、これらの山に登るのが正攻法な選択なのだが、僕としてはこれらの山を眺めたかったので、マイナーな天下峯にしたのだ。クライミングの立場からは、天下峯はメジャーだが)、更には豊田、名古屋の街の景色もよく見える。だからこそ、一時間以上のんびりしたいところであったのだが。
帰りは、正確にルートをトレースし、さきもりちゃんの待つ駐車場に戻ることが出来たが、途中間違えたところは、看板もなく、すぐに行き止まりになると思われるようなわき道に入るのが正解のルートだったので、これでは仕方がないとあきらめがついた。里山を歩くのは難しいと改めて感じたのだった。

国道301号から入るところにも第二駐車場があるが、もう少し入って松平東照宮隣に第一駐車場がある。写真は第一駐車場。第二からもそんなに距離があるわけではない。

歩いてすぐに松平東照宮。ここは徳川家康と、松平氏の始祖・松平親氏を祀る神社。神社の隣(第一駐車場の隣)には松平郷館があり、具足や火縄銃など松平家、徳川家ゆかりの品が展示されている。

この産湯は、大河ドラマ"どうする家康”でも登場したようなしなかったような・・・。

行は左方向(青矢印)、帰りは高月院経由で右方向(オレンジ矢印)から帰ってきた。

在原氏墓地脇を通り、沢連の集落を登る。後方にポツンと見える山は何だろう。

ここで道を間違えた。僕は青い矢印のルートを取ったが、正しくはオレンジ(緑)矢印の始点方向へ曲がる(左折する)べきだったのだ。ただ、看板もなく、こんなところを左折するなんて思う人いないよね。

帰りは正しい道で来たが、ここでオレンジ色のルートを取ってしまう。正しくは緑のルート。ただ、オレンジルートでもちょっと余分に歩くだけなので、このミスは大したことなかった。

地図と道の雰囲気が合致して、この時点で間違っていることを疑うことは全くなかった。「この石ボルダリングに最適だなあ。家の庭にあるといいなあ」なんてのんびり妄想している。

この風景を見ながら歩いていて、地図との乖離が始まり、道迷いに気が付き出す。一体僕はどこに向かっているのだろうか?人は何処から来て、どこへ向かうのか?

図の右上のトンチンカンな方向から登場し(オレンジのルート)、中央上の天下峯に登り、帰りは正攻法ルートで仁王橋を経て六所神社を少し過ぎたところで右折し林道に入った。

ものすごい遠回りをして、仁王川上流から登場した僕(青矢印)。正しいルートでは、オレンジ色矢印で登場することになる。天下峯は右側にある。

右折し天下峯に向けて仁王の集落を登る。青楕円のイチョウが安全寺があるところ。

安全寺に向けてはこんなところを右に入る。真っすぐは個人宅に突入してしまう。

右折すると安全寺を右に見ながら登る。銀杏を踏まないように注意して登る。

松平親氏が天下泰平を祈願して創建したとう安全寺。歴史ある寺なんだね。

あまり整備されていないトレイルを行く。


すぐにきれいな林道に出て、それを上がっていくと天下峯への案内案がある。

この豊田周辺の花崗岩は伊奈川花崗岩の延長。つまり、領家変成帯の花崗岩だ。写真は天下峯の下部の花崗岩を懸命に登るクライマー。どうも夫婦のようで、奥さんがビレイヤー(確保人)役だ。

大幅な回り道をして、やっと天下峯の頂上に到着した。

山頂からの眺めは最高で、名古屋の中心(青楕円で囲んである)も見えまくりであった。

神戸、横浜、銀座とかが書いてあると、高級かつ美味しいと思い込む傾向が吾輩にはある。このカレーは最初に心地の良い甘さ、その後に香辛料の辛さで二弾攻撃を仕掛けてくる感じ。

カリカリベーコンにして、それを芦屋日記カレーにのっけて食べたら美味しかった。青矢印が六所山(ろくしょさん)、黄色矢印が焙烙山(ほうろくやま)だ。最高の飯タイム。

天下峯から下山して、仁王から正規のルートを歩く。六所神社(写真)が現れたら、そろそろ右折だ。

六所神社から数百メートルほど行ったところの地蔵堂橋に向けて右折する。

狭く薄暗い林道を歩く。車は通らないのでのんびりと歩けるのが良い。

落ち葉に埋もれた林道をひたすら行く。

杉の木がトンネルのように覆いかぶさる。

杉のトンネルを越えると、分岐点が現れるが、ここは青矢印の方向に進む。

名古屋方面の景色がチラリと見える。この瞬間瞬間の景色の変化が歩く楽しみだ。

高月院は、松平親氏公が本尊の阿弥陀仏、お堂、塔のすべてを寄進。以後、松平家の菩提寺となったところだ。

本堂や山門は三代将軍家光公によって建てられたらしい。

高月院から駐車場までの道に沿って流れる小川沿いには、遊歩道が設けられている。

この遊歩道は、高月院のトンボ池と親氏像があるところの天下池を結んでいる。

これが徳川家の始祖と言われる松平親氏像だ。ウーム!筋肉は僕とどっちがあるだろうか?

さきもりちゃんがぽつんと一台吾輩の帰りを待っていた。なんとけなげでかわいいことよ!
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