12月ごろからオイラー・マクローリンの和公式やベルヌーイ数なんかに興味を持ってしまい、その周辺のことについて勉強したので自分のものとして咀嚼できるように、ブログに書いて頭を整理しようと思い始めたのだった。年末年始は仕事もなく、元旦の日ぐらいに奥さんの実家に行くぐらいしか用事がないので、数学するには大量の時間が取れるのでうってつけの時期なのであーる。
さて、今回登場したベルヌーイという人は、数学をやっているといろいろなところで登場し、例えば、確率論のベルヌーイ試行、ベルヌーイ分布、微分積分学の基本定理であるところのロピタルの定理(ベルヌーイの発見をロピタル卿が買い取って発表したのでこの名前で知られる)、流体力学のベルヌーイの原理、ベルヌーイの微分方程式、そしてベルヌーイ数、・・・などなど純粋数学から流体力学まで幅が広すぎて、一体どういう天才なんだと思ってしまうのだが、実は、このベルヌーイとは17世紀から18世紀にかけて活躍したベルヌーイ家の人々からなる数学者集団なのである。ベルヌーイ家の先祖はフランドル(現在のベルギー)で医師をしていたレオン・ベルヌーイという人だったらしい。この人の息子のヤコブはカルヴァン派からの弾圧を逃れるため、フランクフルトへ移住。孫のヤコブ(ややこしい)は香辛料商人として成功し、スイスのバーゼルに移り住みそこで市民権を得た。その息子のニコラス(ニコラスとかニコラウスとかもベルヌーイ家の人々の中に沢山いて極めて紛らわしい)も香辛料商人となったのだが、この人がマルガレーテ・シェーナウアーという人と結婚して、11人もの子宝に恵まれたことがその後のベルヌーイ家から数学者大量輩出の起爆剤となったのだった。その中でも長男のヤコブ(今回の主役のヤコブ・ベルヌーイ)と末っ子のヨハンが際立った才能を示し、更には、ヨハンの息子(次男)のダニエルはベルヌーイ一族中最も聡明だったと言われている。ただ、このベルヌーイ家の人々、とても競争心が強く、嫉妬深く、お互いをけん制し合い、争いが絶えなかった。まあ、このような状況が数理的発見の起爆剤となったのかもしれないけど、それにしても性格悪すぎだ。

ヤコブ・ベルヌーイ(Jakob Bernoulli,1654年から1705年)
この人が今回の主役だ。ベルヌーイ数やベルヌーイの多項式はもとより、確率論の発展に多大な貢献をしたことでも有名。自然対数の底の発見もしている。英国旅行の折、ボイルやフックに出会ったことがきっかけとなり、人生を数理科学の研究に捧げることを決意。ライプニッツより微分積分法を学び、弟のヨハンと共に研究に従事。スイスのバーゼル大学の数学教授となる。ヨハンとはたびたび衝突し、ヨハンをバーゼルから追い出すことを画策するなど、性格は良くなかったらしい。

ヨハン・ベルヌーイ(Johann Bernoulli,1667年から1748年)
ヨハンは兄のヤコブから数学を学ぶが、後に対立が激化し、兄によりバーゼルを追い出されそうになる。しかし、ヨハンもしたたかで、バーゼルの代議士の娘であるドロテアと結婚し、バーゼル大学のギリシャ語の教授となる。兄の死後、同大学の数学教授となっている。ヨハンは兄との確執だけでなく、フランスのギヨーム・ド・ロピタルとのゴタゴタも有名だ。ヨハンは数学の個人教師としてロピタルに雇われており、ロピタルはベルヌーイの発見を使用する契約を締結しお金を払い、欧州で最初の微分積分学の教科書を出版した。しかし、出版後、ヨハンは「この本のほとんどは俺様の考えたことだ」と言い出したことにより紛争ぼっ発となったらしい。

ダニエル・ベルヌーイ(Daniel Bernoulli,1700年から1782年)
ベルヌーイ家の人々の中で最も才能に満ち溢れていたと言われている。流体力学のベルヌーイの原理を発見したが、これを巡って発生した父ヨハンとの父子間のゴタゴタは有名だ。ダニエルが1738 年に出版したダニエルの著書「流体力学(Hydrodynamica)」に対して、父ヨハンは 1743 年に『水力学(Hydraulics)』という似たような内容の本を出版したのだが、なんと出版年を 1732 年と偽って、自分の方が先に発見したかのよう見せかけるという、とても父親としての在り方とは程遠い振る舞いを見せたのだった。ダニエルは友人のオイラー(オイラーの師匠がヨハン)へ「成果を父に奪われた」と嘆きを手紙に書いているようだが、その後の展開はダニエルに有利に働き、父ヨハンの評判が失墜した。
さて、今回はオイラー・マクローリンの和公式の証明のための準備をしておこう😓。そこで、前回定義したベルヌーイ数\(B_{n}\)とベルヌーイの多項式\( B_{n}(x)\)の定義を再度確認する。
◎ベルヌーイ数\(B_{n}\)の定義は
\[B_{n}=-\frac{1}{n+1}\sum_{k=0}^{n-1} {}_{n+1} \mathrm{ C }_k B_{k} 、 B_{0}=1 …(B)\]
というものだった。
◎ベルヌーイ多項式\( B_{n}(x)\)の定義は
\[B_{n}(x)=\sum_{k=0}^{n} {}_{n} \mathrm{ C }_k B_{n-k}x^k={}_{n} \mathrm{ C }_0 B_{n}+{}_{n} \mathrm{ C }_1 B_{n-1}x+{}_{n} \mathrm{ C }_2 B_{n-2}x^2+\cdots \]
である。
オイラー・マクローリンの和公式の証明に必要なベルヌーイ数やベルヌーイ多項式の性質をまとめておいて、今回はその証明を与えておこう。
証明に必要な関係式!
① \(\displaystyle B_{n}(0)=B_{n}(1)=B_{n}\qquad (n\neq1)\)
\(\displaystyle B_{1}(1)=\frac{1}{2}、B_{1}(0)=B_{1}=-\frac{1}{2}\)
② \(\displaystyle \frac{d}{dx}B_{n}(x)=nB_{n-1}(x)\)
①の証明!途中の計算で性質:\({}_{n} \mathrm{ C }_k={}_{n} \mathrm{ C }_{n-k} \)とベルヌーイ数の定義式を用いる。
\(\displaystyle B_{n}(0)={}_{n} \mathrm{ C }_0 B_{n}=\frac{n!}{n!\times 0!}=\frac{n!}{n!\times1}B_{n} \)
◎\(n\ge2\)の時
\(\displaystyle B_{n}(1)={}_{n} \mathrm{ C }_0 B_{n}+{}_{n} \mathrm{ C }_1 B_{n-1}+{}_{n} \mathrm{ C }_2 B_{n-2}\cdots+{}_{n} \mathrm{ C }_n B_{0}\)
\(\displaystyle={}_{n} \mathrm{ C }_0 B_{n}+{}_{n} \mathrm{ C }_1 B_{n-1}+{}_{n} \mathrm{ C }_n B_{0}+\cdots+{}_{n} \mathrm{ C }_3 B_{n-3}+{}_{n} \mathrm{ C }_2 B_{n-2}\)
\(\displaystyle=B_{n}+nB_{n-1}+\sum_{k=0}^{n-2} {}_{n} \mathrm{ C }_{n-k} B_{k} \)
\(\displaystyle=B_{n}+nB_{n-1}+\sum_{k=0}^{n-2} {}_{n} \mathrm{ C }_{k} B_{k}=B_{n}+nB_{n-1}-nB_{n-1}=B_n \)
◎\( n=1 \)の時
\(\displaystyle B_{1}(1)={}_{1} \mathrm{ C }_0 B_{1}+{}_{1} \mathrm{ C }_1 B_{0}=-\frac{1}{2}+1=\frac{1}{2}\)
②の証明!ベルヌーイの多項式の定義より、
\(\displaystyle B_{n}(x)=\sum_{k=0}^{n} {}_{n} \mathrm{ C }_k B_{n-k}x^k\)
\(\displaystyle={}_{n} \mathrm{ C }_0 B_{n}+{}_{n} \mathrm{ C }_1 B_{n-1}x+{}_{n} \mathrm{ C }_2 B_{n-2}x^2+\cdots+{}_{n} \mathrm{ C }_n B_{0}x^n \)
と書けているので、この式を項別に微分すると以下のようになる。
\(\displaystyle\frac{d}{dx}B_{n}(x)=1\cdot{}_{n} \mathrm{ C }_1 B_{n-1}+2\cdot{}_{n} \mathrm{ C }_2 B_{n-2}x+\cdots+n\cdot{}_{n} \mathrm{ C }_n B_{0}x^{n-1} \)
ここで、公式:\(k{}_{n} \mathrm{ C }_k=n{}_{n-1} \mathrm{ C }_{k-1} \)を用いて上式をΣで書き直すと、
\(\displaystyle\frac{d}{dx}B_{n}(x)=n\left({}_{n-1} \mathrm{ C }_0 B_{n-1}+{}_{n-1} \mathrm{ C }_1 B_{n-2}x+\cdots+{}_{n-1} \mathrm{ C }_{n-1} B_{0}x^{n-1}\right) \)
\(\displaystyle =n\sum_{k=0}^{n-1} {}_{n-1} \mathrm{ C }_k B_{n-1-k}x^k=nB_{n-1}(x)\)
ここで今回のテーマの一つであるべき乗和公式を示しておこう。
\(\displaystyle S_{k}(n)=\sum_{m=0}^{n}m^k\)としたとき、べき乗和公式、
\[S_{k}(n)=\frac{1}{k+1}\sum_{j=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_{j}b_{j}n^{k+1-j}\]
但し、\(n\neq1\)の時\(b_{n}=B_{n}\)、\(n=1\)の時\(\displaystyle b_{1}=B_{1}+1\)が成立する。
証明の流れ!
(1)\(\displaystyle S_{k}(n)\)が\(n\)についての\(k+1\)次の多項式であることを示す。
(2)\(n\)の所を\(x\)で置き換えて、\(\displaystyle S_{k}(x)\)をマクローリン展開する。
(3)\( S_{k}(0)=0\)より\(x\)のゼロ次項はないので、
一次項の係数\(b_k =S_{k}^{(1)}(0)\)用いてすべての次数の係数を\(b_k\)で表す。
(4)\(n\neq1\)において\(b_k\)がベルヌーイ数\(B_k\)と一致することを見る。
更に、\(n=1\)の時 \(\displaystyle b_{1}=B_{1}+1=\frac{1}{2}\)となることを確かめる。
(1)から出発!
\(\displaystyle (n+1)^{k+1}-n^{k+1}=\sum_{j=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j n^j\)
\(\displaystyle n^{k+1}-(n-1)^{k+1}=\sum_{j=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j (n-1)^j\)
\(\displaystyle \vdots\)
\(\displaystyle 3^{k+1}-2^{k+1}=\sum_{j=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j 2^j\)
\(\displaystyle 2^{k+1}-1^{k+1}=\sum_{j=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j 1^j\)
これらを全部足し合わせると、
\(\displaystyle (n+1)^{k+1}-1=\sum_{j=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j S_j(n)=\sum_{j=0}^{k-1}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j S_j(n)+{}_{k+1} \mathrm{ C }_k S_k(n)\)
\(\displaystyle S_k(n)=\frac{1}{k+1}\left((n+1)^{k+1}-1-\sum_{j=0}^{k-1}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j S_j(n)\right)\)
\(\displaystyle =\frac{1}{k+1}n^{k+1}+(k次以下の多項式)\)
\(\displaystyle S_{1}(n)\)が\(n\)についての\(2\)次の多項式、\(\displaystyle S_{2}(n)\)が\(3\)次、・・・となるので、\(\displaystyle S_{k-1}(n)\)が\(k\)次の多項式となるから、この式より\(\displaystyle S_{k}(n)\)が\(k+1\)次となることが帰納的にわかるわけだ。
(2)\(n\)の所を\(x\)で置き換えて、\(\displaystyle S_{k}(x)\)は\(x\)の\(k+1\)次の多項式であることがわかる。そこで、コイツを\(x\)についてマクローリン展開して、
\(\displaystyle S_{k}(x)=\sum_{j=0}^{k+1}\frac{S_{k}^{(j)}(0)}{j!}x^j \)
\(\displaystyle=S_{k}(0)+\frac{S_{k}^{(1)}(0)}{1!}x+\frac{S_{k}^{(2)}(0)}{2!}x^2+\cdots+\frac{S_{k}^{(k+1)}(0)}{(k+1)!}x^{k+1}\)
(3)さて以下で示すように\(\displaystyle S_{k}(0)=0 \)であるので、次なる\(x\)の1次の項の係数を\(\displaystyle S_{k}^{(1)}(0)=b_k \)と置く。これからやりたいことは、
\[S_{k}^{(2)}(0)、S_{k}^{(3)}(0)、\cdots、S_{k}^{(j)}(0)、\cdots 、S_{k}^{(k+1)}(0)\]
\((j=2、3、\cdots 、k+1)\)を\(b_k \)で表すことである。そのために、
\[S_{k}(n+1)-S_{k}(n)=\sum_{j=0}^{n+1}~j^{~k} – \sum_{j=0}^{n}~j^{~k}=(n+1)^k \]
が任意の自然数\(n\)に対して成り立つので、この式は実数\(x\)の多項式
\[S_{k}(x+1)-S_{k}(x)=(x+1)^k \]
でも成立する。上式に\(x=0\)を代入し、\(\displaystyle S_{k}(1)=1 \)であることも考え合わせると、\( S_{k}(0)=0 \)を得る。上式を\(x\)で微分すると、
\[S_{k}^{(1)}(x+1)-S_{k}^{(1)}(x)=k(x+1)^{k-1} \]
となる。この式に\(x=0、1、2、\cdots 、n-1 \)を代入して足し合わすと、
\[S_{k}^{(1)}(n)-S_{k}^{(1)}(0)=kS_{k-1}(n) \]
である。これが任意の自然数\(n\)に対して成り立つので、
\[S_{k}^{(1)}(x)-S_{k}^{(1)}(0)=kS_{k-1}(x)\qquad S_{k}^{(1)}(x)=kS_{k-1}(x)+b_k \]
なる多項式間の関係式が成立する。そこで、この両辺を微分すると、
\[S_{k}^{(2)}(x)=kS_{k-1}^{(1)}(x) \]
\(x=0\)とすると、\(S_{k}^{(2)}(0)=kS_{k-1}^{(1)}(0)=kb_{k-1} \)を得る。更に微分すると、
\[S_{k}^{(3)}(x)=kS_{k-1}^{(2)}(x)=k(k-1)S_{k-2}^{(1)}(x) \]
となるので、再び、\(x=0\)とすると、\(S_{k}^{(3)}(0)=k(k-1)S_{k-2}^{(1)}(0)=k(k-1)b_{k-2} \)を得る。この操作を繰り返していくと、
\[S_{k}^{(j)}(0)=k(k-1)\cdots(k-j+2)b_{k-j+1} \qquad (j=2、3、\cdots、k+1)\]
以上より、\(\displaystyle S_{k}(x)\)のマクローリン展開を\(b_k\)で表すと、
\(\displaystyle S_{k}(x)=\frac{S_{k}^{(1)}(0)}{1!}x+\frac{S_{k}^{(2)}(0)}{2!}x^2+\cdots+\frac{S_{k}^{(k+1)}(0)}{(k+1)!}x^{k+1}\)
\(\displaystyle=\sum_{j=1}^{k+1}\frac{S_{k}^{(j)}(0)}{j!}x^j=\sum_{j=1}^{k+1}\frac{k(k-1)\cdots(k-j+2)}{j!}b_{k-j+1}x^j \)
\(\displaystyle=\sum_{j=1}^{k+1}\frac{1}{k+1}\frac{(k+1)!}{(k-j+1)!~j!}b_{k-j+1}x^j \)
\(\displaystyle=\frac{1}{k+1}\sum_{j=1}^{k+1}{}_{k+1} \mathrm{ C }_j b_{k-j+1}x^j \)
ここで、組み合わせについての公式:\({}_{n} \mathrm{ C }_r= {}_{n} \mathrm{ C }_{n-r} \)を用いて、更に、\(i=k+1-j\)と置くと、\(j=k+1-i\)でもあるから、上式は以下のようになる。
\[\displaystyle S_{k}(x)=\frac{1}{k+1}\sum_{i=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_i b_{i}x^{k+1-i}・・・(*) \]
これにて、(*)の式で\(x\)を\(n\)で置き換えれば、べき乗和の一般公式を得る。
(4)最後に\(b_k=S_{k}^{(1)}(0)\)が関・ベルヌーイ数と\(n\neq1\)で一致することを見る。まず、防人が採用したベルヌーイ数の定義式(B)は
\[B_{k}=-\frac{1}{k+1}\sum_{i=0}^{k-1} {}_{k+1} \mathrm{ C }_i B_{i} 、 B_{0}=1 …(B)\]
であったから、\((k+1)B_{k}={}_{k+1} \mathrm{ C }_k B_{k}\)を用いて書き換えると、
\[ {}_{k+1} \mathrm{ C }_0 B_{0}+{}_{k+1} \mathrm{ C }_1 B_{1}+\cdots+{}_{k+1} \mathrm{ C }_k B_{k}=0 …(ⅰ)\]
一方、\(S_k (1)=1\)であるから、上記(*)式より、
\[ k+1= S_{k}(1)=\sum_{i=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_i b_{i}={}_{k+1} \mathrm{ C }_0 b_{0}+{}_{k+1} \mathrm{ C }_1 b_{1}+\cdots+{}_{k+1} \mathrm{ C }_k b_{k}\]
を得る。ここで、\(k+1={}_{k+1} \mathrm{ C }_1\)を用いると、上式は
\[ {}_{k+1} \mathrm{ C }_0 b_{0}+{}_{k+1} \mathrm{ C }_1 (b_{1}-1)+\cdots+{}_{k+1} \mathrm{ C }_k b_{k}=0 …(ⅱ) \]
となる。ここで、\(b_0\)の値を求めるために、上記の証明途中で登場した、
\[S_{k}^{(1)}(x+1)-S_{k}^{(1)}(x)=k(x+1)^{k-1} \]
の式を考える。そして、\(x=0\)とすると、\(S_{k}^{(1)}(1)-S_{k}^{(1)}(0)=k\)となるので、\(k=0\)とすると、\(S_{0}^{(1)}(1)=S_{0}^{(1)}(0)=b_0\)を得る。
\[S_k (x) =\frac{1}{k+1}x^{k+1}+(k次以下の多項式) \]
であったから、
\[S_k^{(1)}(x) =x^k+(k-1次以下の多項式) \]
となり、\(k=0\)とすると\(S_0^{(1)}(x)=1\)であるから、\(b_0=S_{0}^{(1)}(1)=1(=B_0)\)を得る。\(k=1\)の時、上記の(ⅰ)、(ⅱ)より\(\displaystyle B_1=b_1 -1=-\frac{1}{2}\)を得る。以下、\(n\geq2\)の時は\(B_k=b_k\)を得る(漸化式の解の一意性から明らか)。
《補足》今回の記事ではベルヌーイ数の定義を(B)で行ったが、関孝和やベルヌーイ達の本来の定義は、この(B)ではなく、上記で登場した、
\[ k+1=\sum_{i=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_i b_{i}={}_{k+1} \mathrm{ C }_0 b_{0}+{}_{k+1} \mathrm{ C }_1 b_{1}+\cdots+{}_{k+1} \mathrm{ C }_k b_{k} ・・・(b)\]
なのである。これより、ベルヌーイ数と言ったとき、定義によっては\(n=1\)での符号が異なることに注意しよう。つまり、
定義(B)では\(\displaystyle B_1=-\frac{1}{2}\)、 定義(b)では\(\displaystyle b_1=\frac{1}{2}\)
なのである。
③ \(n\)が\(3\)以上の奇数とする。この時、\(B_n=0\)となる。
④ \(n\neq1\)なる任意の自然数\(n\)に対して\(\displaystyle (-1)^n B_n=B_n \)
③の証明!べき乗和公式の所で登場した式
\[S_{k}(x+1)-S_{k}(x)=(x+1)^k \]
を考える。この式で、\(x=-1\)を代入すると、\(\displaystyle S_{k}(-1)=0\)を得る。
(\(\displaystyle S_{k}(1)=1、S_{k}(0)=0、S_{k}(-1)=0\)が成り立つわけだね)
そこで上記(*)式に\(x=-1\)を代入すると、
\(\displaystyle0=S_{k}(-1)=\frac{1}{k+1}\sum_{i=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_i b_{i}(-1)^{k+1-i}\)
\(\displaystyle=\frac{(-1)^{k+1}}{k+1}\sum_{i=0}^{k}{}_{k+1} \mathrm{ C }_i b_{i}(-1)^{(-i)} \)
から、以下の式を得る。
\(\displaystyle0=\frac{(-1)^{k+1}}{k+1}\sum_{i=0}^{k}(-1)^{i} {}_{k+1} \mathrm{ C }_i b_{i}\)
\(\displaystyle= {}_{k+1} \mathrm{ C }_0 b_{0}- {}_{k+1} \mathrm{ C }_1 b_{1}+ {}_{k+1} \mathrm{ C }_2 b_{2}+\cdots+(-1)^{k} {}_{k+1} \mathrm{ C }_k b_{k}\)
同様に(*)式に\(x=1\)を代入すると、
\(\displaystyle k+1= {}_{k+1} \mathrm{ C }_0 b_{0}+ {}_{k+1} \mathrm{ C }_1 b_{1}+ {}_{k+1} \mathrm{ C }_2 b_{2}+\cdots+ {}_{k+1} \mathrm{ C }_k b_{k}\)
これらの二式を差っ引くと、奇数添え字のタームのみ残り以下のようになる。
\(\displaystyle k+1=2\left( {}_{k+1} \mathrm{ C }_1 b_{1}+ {}_{k+1} \mathrm{ C }_3 b_{3}+\cdots+ {}_{k+1} \mathrm{ C }_{2j+1} b_{2j+1}\right)\)
ここで、\(k=2j+1\)の時は上記になるのは当たり前か。それでは偶数の\(k=2(j+1)\)の時は、これより一つ小さな奇数\(2(j+1)-1=2j+1\)が残る項の添え字の最高値となるので、やはり上式で良い。上式をシグマ記号で書くと、
\[ k+1=2 \sum_{m=0}^{\lfloor \frac{k-1}{2} \rfloor}{}_{k+1} \mathrm{ C }_{2m+1} b_{2m+1}\]
となる。ここで、\(m=0\)の項は\(\displaystyle {}_{k+1} \mathrm{ C }_{1} b_{1}=\frac{1}{2}(k+1)\)となるので、等式の左辺と打ち消し合う。よって、
\[ \sum_{m=1}^{\lfloor \frac{k-1}{2} \rfloor}{}_{k+1} \mathrm{ C }_{2m+1} b_{2m+1}=0\]
となる。ここで\(m\)は\(m=1\)から始まるので、\(k\)は\(3\)以上の整数だ。まず、\(j=1\)、すなわち、\(k=2j+1=3\)の時、\(b_3=0\)となる。次に、\(j=2\)、すなわち、\(k=2j+1=5\)の時、
\[ 0={}_{6} \mathrm{ C }_{3} b_{3}+ {}_{6} \mathrm{ C }_{5} b_{5}={}_{6} \mathrm{ C }_{5} b_{5}\]
より\(b_{5}=0\)を得る。このように、後は帰納的に\(n\)が奇数の時\(B_n=0\)が成立する。
④の証明!これは明らかだな。\(n\)が奇数の時は\(B_n=0\)であるから、\(n\)が偶数の時だけ考えればよいが、\((-1)^n=1\)より明らかに題意の式は成立する。
本当は『オイラー・マクローリンの和公式』も証明してしまおうと思っていたが、予想以上に盛りだくさんな内容となってしまったのでこの記事はここまでで終わりぃーッ!😰


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