Cafe Lagrange (晴耕編 中山道・サムライトレイル‐妻籠馬籠区間往復 2025.9.17)

Cafe Lagrange 晴耕編

 保冷バックを持った左手を低めに維持しながら、家の玄関ドアを開け、ダイニングスペースを抜けソソソッと冷蔵庫に向かおうとするが、背後から奥さんの鋭い声。

「その左手に持っているものは何ッ?」

想定問答集を研究していなかったので、しどろもどろとなり、

「えッ、イヤーッ…💦、そのーッ、明日の昼のおかずなんだけどね…、💦💦💦」

「おかずって、何を買ってきたの?」

「💦、えッーと、和牛なんてもちろん買ってないよッ(本当は飛騨牛だけどね)、お肉が安かったので、明日娘と食べようと思ってね…💦」

「でッ、いくらだったの?」

「💦えーッ、確か…💦1000円くらいだったかな(本当は1600円だった)、💦💦、安いやつを買ったのでね💦」

とこんな感じで奥さんの疑いの眼差しに見送られながら防人と娘は中山道42番宿の妻籠にやってきたのだった。9月を過ぎると渓流は全面禁漁になる。その意味では9月の休みは釣り人にとって極めて大事な釣行日なのであり、今回の17日水曜日(防人の定休日は水曜日なのだ)は残り二回となったうちの一回であるのだからその貴重さは釣り人にとってはかりしれないものである。しかし、家の娘殿が「妻籠・馬籠間の中山道歩き」にたいそう興味を示し、行きたそうにしていたのであるから仕方がない。それに、妻籠なら近くを蘭川が流れており、うまくすればチョコッと毛ばりを流れに投入することもできるかもしれない。とまあ、そんな淡い期待を胸に秘め、妻籠宿にやってきたのだが、冷静に考えれば、妻籠・馬籠間は7.7㎞の山道。往復15.4㎞である。途中昼飯タイム(調理もあるので一時間以上とることが多い)も考えると、5時間以上のコースタイムを確保した方がよく、このような全方位的状況を鑑み、中山道歩きに専念することに覚悟を決めた防人だったのである。そうであるならば「昼飯を充実させよう」と妄想し、『飛騨牛購入』という暴挙、快挙、秘密作戦に打って出たのであったが、冒頭のようにあっさりと奥さんに見抜かれてしまったのであった。

 出発時、奥さんからのラインの着信があり、開けてみると「昼のお肉楽しんできてねぇーッ」とある。先手を打たれた形の出発となったが、娘のハイペースの登りに後手後手にならないように、必死にくっつていく展開となったのであった。

 さきもりちゃんを妻籠宿のはずれに止めて、そこから歩き出すことに。左手の橋の下は蘭川が流れ、そこにはアマゴ君が生息しているのだわいッ。
 少し歩くと、どこからとなく太猫君が現れ、しばし我々と並走することに。人には慣れているようだが、決してマイペースを崩すことがない安定感がある猫だった。
 妻籠・大妻籠間の中山道は石畳の道や舗装道路が組み合わされ、極めて歩きやすい。道は蘭川の支流(男垂川?沢の名前がよくわからないが!)に沿って登っていくようにつけられている。
 大妻籠(奥妻籠が訛ったらしい!)は中山道と飯田街道の分岐点に栄えた集落。宿場町の制定はないが、今でも古い宿屋があって、外国人観光客が宿泊していた。京都の伏見稲荷に続いてここも日本人は少ない。
大妻籠を過ぎ、急傾斜の斜面を九十九折になって越えて行く中山道。極めて歩きやすい。この中山道にまとわりつくように県道7号線が並走しているのである。
 花崗岩質の岩の間を流れる涼しげな沢を渡る。思わず毛ばりを投入したくなってしまうが、ここは眺めるだけで我慢するのだった。先を急ごう!
 よく整備された杉林の中を歩く。日差しが遮られて極めて涼しいのだが、先ほどから娘のハイペースの登りについて行くため防人は汗だくだ。少しは父を労わりなさいッ。
椹(さわら)の巨木。神居木(かもいぎ:神様が宿る木⁉)と呼ばれているらしくて、この木で風呂桶300個?を作り出すことができるのだとか。
 ここは宿と宿の中間にある旅人の休息所で「立場茶屋」というらしい。表口には外国人はどこの国から、日本人はどこの県からやってきたのかを書くボードが設置されている。写真は往路で朝のものだが、復路で見たときは、マレーシア、ブラジル、タイ、…、などものすごく多彩な国から旅人がやってきているようだった。ちなみに、写真は外国人用のもの。一番左に🗻JAPANと書いてあるが、日本在住の外国人なのか?日本人用(写真には写っていない。もっと左手にある)には東京台東区から来た人と名古屋から来た人(防人達)しか記録されていなかった。
 馬籠峠に到着。実は振り返ると県道7号線が隣を走り、少し興ざめなのであるけど。それにしても、この妻籠・馬籠間を歩く外国人は多い。これは、2016年イギリスの放送局BBCの番組で、俳優ジョアンナ・ラムレイ(映画「007」でボンドガールを演じるなど、英国では知られた存在だ。つまり、ランドローバーとも繋がりがあるというわけか?)がこの妻籠・馬籠間の中山道を歩き、“サムライトレイル(Samurai Trail)”と呼んだことがきっかけで、いまや海外では「サムライロード」として人気で、日本人より海外の人の方が知っているという逆転現象が起きている。
 馬籠峠を越えると、馬籠宿にむけてひた下るのみ。風流な民家の軒先のサルビアだったかなぁ?の赤がきれいだ。
 十返舎一九が『渋皮の剥(む)けし女は見えねども栗のこはめしここの名物』と詠んだらしい。田舎だけど、ここの栗おこわは激うま!ということか?
 馬籠上部の展望台に到着。ここからは恵那山が一望できるはずなのだが雲に隠れて見えなかった。写真にチラリと写っている左手の裾野が恵那山の一部だ。
 妻籠から馬籠までハイペースで来たので、1時間30分ほどで到着。娘はここで何か食べようと、目が血走っていた。
 平日かつ朝なので観光客は少なくてこのような写真が撮れました。決して、消しゴム機能で人々を消去したわけではないですよ。
 馬籠は中津川の近くで、秋の中津川とくれば栗きんとんなどの栗菓子が有名。そこで、防人は栗きんとん大福アイスを食す。
 往路で目星をつけておいた場所に、復路で立ち寄って、昼飯タイムとした。写真は『飛騨牛ステーキ』を待ち望んでいる娘。
 ニンニクを刻み、これをこんがり焼いて下味として、そこに飛騨牛を投入するのだ。香ばしいにおいが中山道に充満する。
 これが今日のランチでございます。『飛騨牛』も美味しかったので、娘もたいそうご満悦であった。自分バージョンではワインと醤油を入れ間違えて、焦がし醤油風味飛騨牛ステーキとなってしまったが、それはそれで美味しかった。
 馬籠の方が妻籠より高い位置にあるので、帰路の方が楽ちんだったかも。さきもりちゃんの所に戻ってみたら、後輪タイヤにおしっこの跡が。散歩ワンコロの仕業と思われる。おしっこ柱に間違えられたかわいそうなさきもりちゃんでした。

 帰りは中津川のスタバーに立ち寄り、最近はまっている『アフォガード(バニラアイスにエスプレッソをかけたもの)』を飲み、下道をゴソゴソのんびりドライブして帰ったのだった。さーて、来週の水曜日は釣りに行けるか、それとも、…。

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