今から5年ほど前、息子のトクチンと山城巡りをしていた時に、この文珠の森周辺の山城群(山口城、法輪寺城、祐向山城)を訪れたことがあった。ただ、この時は文珠の森から稜線伝いに祐向山城まで行って、そこから同じ道を文珠の森まで戻ってきたのだった。しかし、トレイルは祐向山城から先も南の方に向けて続いていて、その先がどうなっているかがずーっと気になっていたのである。今年に入り、岐阜市の金華山、更に西の城ケ峰と歩みを進めてきて、更にその西にはこの気になり続けていた山塊があり、一度これらの山々をぐるりと一周してみようという思いが強くなり始めていたのだった。そして、今回、その思いを遂げるために久しぶりに本巣にある文珠の森にさきもりちゃんとやって来たのだ。

昨日は割とたっぷり雪が降ったようだ。文珠の森の公園では、家族連れが雪遊びに夢中になっていた。背後の山に登った後、奥に見える稜線に沿って大平山まで縦走するつもりなのだ。

どんぐりの小径に入ると、登った後どんどん下がっていくので不安になるが、再び登り出して、四季の展望台直下でこの舗装道路と再び合流する。

文珠の森四季の展望台からの眺め。眼下の本巣市の向こうの養老山系は雪雲に隠れていた。天気予報によると、今夜から再び日本海側は大雪になるらしい。温暖化だと冬寒くなる!なんていう理屈がまかり通るなら、寒冷化だと夏暑くなるなんていう理屈も通るのではと思ってしまう門外漢の防人であるが…。何はともあれ、この写真のように凍てついた景色を眺めながらの冬場の登山は身の引き締まる気がして最高だ。

今日はファミマで"直火焼き牛サガリ"を買って、フライパンで炒めてみた。それを、家で作ってきた五目チャーハンに混ぜ食してみたが、なかなかお肉は柔らかく、美味しかった。360円くらいのものだったので、期待していなかったのだが、これなら外飯でときには食べてもいいかもしれないと思った。それにしても、牛肉はサガリ、イチボ、シンシン、…とか不思議な名前がついていることが多いよな。

青矢印の稜線に沿って縦走して、大平山まで行こうと思っているのだ。茶色矢印が御坊山、黄色矢印が城ケ峰?、赤矢印が金華山、緑矢印が百々ヶ峰。四季の展望台からの眺めは最高だ。

ここは次の写真の山口城の縄張り図において"現在地"と書かれている場所だ。展望台もあり、昼飯&カフェタイムにも最高だ。

山口城の縄張り図。南の"中の城"と北側の主郭の二段構成のお城のようだ。この辺りは本当に山城が多いね。

山口城主郭(権現山山頂)。眺めも良く、広範囲にわたって削平されている。

山口城から法輪寺城に向けての稜線は雪中行軍となった。

これから向かう法輪寺城の山が見える。

法輪寺城の縄張り図。

法輪寺城からこれから向かう大平山方面を眺める。奥の雲に覆われている山は養老山系である。

二つの堀切(尾根伝いの敵兵の移動を遮断するための窪地。防人は堀切が大好きである)を過ぎると、祐向山城の主郭に到着する。

祐向山山頂。東側の眺めがよく、金華山や百々ヶ峰、更には恵那山や中央アルプスが見える。削平された山頂部にはタップリ雪が積もっていた。

祐向山城より先は未知の領域で、今回はここを歩くためにやって来たと言っても過言ではない。しばらく行くと掛洞城と言う山城が現れた。割と大きな山城だった。

大平山へのトレイルからそれて、掛洞城の見学をする。少し入ると、主郭と思われる平坦地が現れた。

これは大きな堀切だよね。堀切フェチの防人としてはたまらない場所である。

再びトレイルに戻り、林の中をひたすら歩く。大平山へはかなり長い稜線歩きとなる。途中で防人と同じ単独行の登山者とすれ違い、挨拶を交わす。

更に稜線を歩き続けると左から右に向けて高圧電線が交差するあたりで東側の視界が開ける。アップダウンもほとんどなく、気持ちの良い稜線歩きを楽しめる。

大平山は視界が効かない面白みがないところだった。期待外れだったかな。

監視哨!?。いきなりコンクリートの塊が現れた。何かと思ったら・・・。

第二次大戦中のB29の来襲を見張る場所だったようだ。電話線を引いて、敵機を発見すると電話連絡していたのだろうか?

八幡神社に下山した。ここから登る場合は、神社左脇から登山道に入ることになる。初めてだとわかりにくいかも。

ここから登る場合は、八幡神社の階段を登り左折して脇の登山道に入る。

用水の流れる本巣の美しい街並み。気持ち良く歩けるところだ。

ここは富有柿の産地である。11~12月にはオレンジ色の大きな柿が至る所で販売されている。とても美味しい柿だ。この辺りで、先ほど稜線ですれ違った登山者と再び出会うことになった。「互いに反対廻りですね」と笑顔で挨拶。ちなみに、この本巣は類体論の生みの親である高木貞二が誕生した地であり、近くに『高木貞治博士記念室』がある。防人はまだ一度も訪れていないので、近いうちに行ってみたいと思っているのだが、ついつい、お山登りや釣りばかり行ってしまうのよねぇー。

ラーモ二ー・ドゥ・ラ・ルミエールと言う岐阜屈指のフレンチレストランらしい。元は金華山近くの長良地区にあったらしいのだが、移転して、ここ本巣の文珠の森近くにやって来たとのこと。この日も多くの人で賑わっていた。少し高台にあり、富有柿の畑、本巣市から養老にかけての景色を眺めながらのフレンチは最高だろうなあ!今度奥さんと娘を連れて是非行ってみたいなあ。息子のトクチンは唐揚げ専門なので、このような場所には縁がないから、彼には"唐しげ"などで唐揚げ買って帰ればそれでOKなのだ!
この周囲の山々には山城が多い。岐阜金華山は有名だが、この前登った城ケ峰、更に、今回の山域から西側には揖斐川町にある揖斐城、更に西側に行くと、垂井町にある菩提山城(戦国時代の知将 竹中半兵衛重治の居城。豊臣秀吉の参謀として活躍し、黒田官兵衛とともに”二兵衛”と評された)、そして更に西側は関ケ原だ。本宮山、桃配山(壬申の乱では大海人皇子が兵士達に桃を配り快勝したとか、関ケ原の合戦では徳川家康が最初に布陣した場所とか言われている)、謀反人として有名な小早川秀明が布陣した松尾山(小早川謀反の背後には毛利の実質的な支配者だった吉川広家の働きがポイントだったと言われている。つまり、真の謀反人は広家ということか!)など、戦国好きには垂涎の山々が横たわっている。東海自然歩道などと組み合わせてのんびり歴史探訪というのも知的で、肉体的で、お腹も空いて最高かもしれないな。
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