娘を連れて山に出かけようとしたら、あまり乗り気でないようなので、防人とさきもりちゃんの二人で(って、さきもり号もいよいよ娘のように、ペットのように思えてきてしまっている、危ない境地に入りつつある防人である)出かけることにしたのだった。明け方まで激しく雨が降っていたので、それが止むのを待っていたら、午前10時過ぎてしまった。しかし、今日は名古屋に近い美濃加茂という所の『高木山』という低山に登ることにしていたので、のんびり出発しても余裕なのであーる。その昔、トクチンと山城巡りをしていた時に、美濃加茂市から美濃市に抜けるときに使っていた県道63号線を走っていると、山頂に砦のような、展望台のようなものがあるポッコリとした山が視界に入ってきて、この砦のことが何となく気になってしまっていたのだった。この砦がある山が今回登ろうと思っている『高木山』なのである。この山の麓には『みのかも健康の森』という公園施設があるらしく、そこに登山口があり、頂上まで777段の階段で上がるという、何となく興ざめなルートを持つ山らしいのだ。まあ、余り期待感なく現地に向かったのであったが。

今日(水曜日)は「みのかも健康の森」は休園日のようで、ゲートが閉まっていた。そこで、道路わきの広場にさきもりちゃんを駐車して、山登りに出発。

ここは「どんぐりぱーく」という広場らしい。お母さんに連れられた子供ちゃんが元気よく遊んでいた。彼らはどこに車を止めたのだ。近所の人かなあ??

いよいよ山頂に向けての777段の階段の入り口に立つ。登山で一番嫌いなものが、階段が続くルート。なんか、部活のトレーニング的気分になるのよねぇー。このルート以外で山頂にたどり着くことはできないものか?

777段の階段が長々と続く。整備され過ぎていて、かつ、まっすぐなために、このようなルートはめげ気味となる。もし「毎日三往復すること」を日課にしようものなら、体力は付くけど、人生重くなるよなぁー!

300段目くらいのところに、左手に分かれ道があって『はぎのこみち』というらしい。こっちの方が山歩きしている気分になれるので迷わずこの道を選ぶ。

今回の山塊は三つのピークからなり、西側のピークにあるのが愛宕神社だ。総本宮は京都の愛宕山山頂にあるらしく、ご利益は火伏せ(防火、鎮火)とのこと。

高木山は巨大なチャートの塊でできているような山だ。まあ、この辺りは、鳩吹山、継鹿尾山、金華山、…などもチャート質だし、鵜沼の赤チャートもある。一億数千万年前の暖かい海で形成されたものが、プレートに乗ってゆっくりやってきたのだね。

真ん中のピークにあるのが『よころびの砦』という展望台(高木山山頂344m)だ。777段の階段で登ってくると、この直下に飛び出てきて、登頂の喜びをかみしめるということなのかなあ。景色はとても良いが、今日は雲が多く、恵那山、中央アルプス、御嶽などは見えなかった。

縦走してきた高木尾根、愛宕神社を振り返る。これは関市方面を眺めていることになるのかな?この高木山はクライミングの山としても有名らしい。

これから扇谷の絶壁を左手に見ながら縦走して行く。向こうに見える岩々の山が三つ目のピークだ。この岩々ピークのどこかで昼飯タイムとするか。

高木山に対して東北東方向にある岩々ピークから扇谷絶壁(落差200m)を眺める。高度感があって迫力満点。こんなコンパクトな山なのに、これほど迫力ある景色を拝めるとは!

トレイルから外れ、藪をかき分けて入り込んでいったら、絶壁を眺め渡せる岩棚を発見し、そこで昼飯タイム。このような場所を発見できるとはラッキーであった。

通称ではない『富士山』は日本に三つとか。そのうちで一番低い富士山がこの山(357m)らしい。一番目は良いとして、二番目はどこだ?

ここは『あじさいの池』らしい。雨季にはアジサイが咲き乱れるのか?健康の森公園内はパターゴルフ場、バーベキュー広場、「絶叫ローラー」という滑り台があるフィールドアスレチィックなど、かなりいろいろなものがある公園なんだなぁー。

休園日でも駐車できるのか。さきもりちゃんと共に入り込んできたところは公園の裏側だったわけだね。表側にはこんなに大きな駐車場があるとは知らなかった。先ほどの「どんぐりぱーく」の親子もここに車を止めていたわけね。納得。

これが『みのかも健康の森』公園の全貌だ。東隣の『富士山』もこの公園の一部だったのか。因みに、今回のルートは地図左側のどんぐりぱーく側から登り、「はぎのこみち」、「愛宕神社」、「よろこびの砦」、「つつじのこみち」(途中で岩々の第三ピークにて昼飯)、「アジサイの池」から再び「どんぐりぱーく」に戻り、さきもり号を止めた裏ゲート側へと戻って行った。
低山登山をする防人の喜びの一つとして、人があまり立ち入らなくて、景色が良い昼飯場所を発見するということがある。そのような場所の発見は、あたかも、住宅街の路地裏の思わぬところに美味しいレストランやカフェを発見したのと似たような喜びを感じる防人なのである。そういう意味で、今回は最高の昼飯場所を開拓できたのだった。名古屋を朝10時過ぎに出て、山に登り、昼飯を食べて、帰路は鵜沼、各務原経由のノンビリドライブにもかかわらず、夕方16時台に帰宅完了するというコンパクトさも気楽である。まあ、登山として体の疲れさせる、または、肉体を追い込ませることには向かない山かもだが(777段の階段を何往復かすると、筋肉を追い込むことは出来るかだろうけど)、チョロッとランチを食べに行き、壮大な景色を眺めたい場合は最高の選択となる場所なのかもしれない。


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