7月にさきもり号を傷つけ、秒で100万円が溶けた。ああー、無情。
9月最終の釣りでお魚さんからの連絡がなくボウズ確定。ああー、無情。
ワチェットで購入したドライシェイクなどの釣りの小物8000円分が忽然と姿を消して今のところ消息不明。ああー、無情。
ということで、9月28日(日曜日)、愛知県芸術劇場大ホールで行われた”Les Miserables WORLD TOUR SPECTACULAR”40周年記念コンサート日本公演千秋楽に行ってきたのだった。これは舞台上、舞台裏合わせて125名からなるレ・ミゼチームで、舞台版が上演されたことがない地域を含め、世界の主要都市を巡る前例のないコンサートツアー公演なのである。日本は4大都市(東京、大阪、福岡、名古屋)巡り、日本最終公演場所がここ愛知県名古屋だったのである。そして、奥さんの努力のおかげで、防人家は千秋楽のチケットを入手できたのだった。

"レ・ミゼラブル"とくればこのポスターですな。これはユーゴーの原作本に掲載されているコゼットが子供時代の時の挿絵だ。
コンサートが始まり、”The Chain Gang”、”On Parole”でジャン・ヴァルジャン(キリアン・ドネリー)の強烈な歌唱力に腰が抜け、防人の好きな歌”The Bishop”を司教役のアール・カーペンターが歌い、脇を固める役者さんたちのレベルの高さに舌を巻き、チャナ・ヒューイット演じるフォンティーヌが歌う”I Dreamded a Dream”は人種の壁を越えた深い響きがあった。ミュージカルでは”EPILOGUE”で一人死を待つヴァルジャンを、すでに天にされたフォンティーヌが迎えに来るという演出になっているのだが、この時のヒューイットの歌唱はもはや宗教的響きを放ち、パン一つ盗んだ罪で19年の獄中生活を送り、仮出獄の許可証を破り捨て逃げ延び、ジャヴェールの追跡をかろうじてかわし、フランス革命の荒波に翻弄されたヴァルジャンの旅立ちを包み込むような深みある歌声であった。更に、驚いたのは、千秋楽の舞台を見に来ている観客の質の高さである。みんな、レ・ミゼをよく把握していて、拍手、歓声、掛け声を巧みに使い分け、役者さんやオーケストラと一体となってコンサートを盛り上げているのだ。防人の大好きな曲”STARS”をジャヴェール役のジェレミー・セコムが歌い上げた後などは、観客がスタンディングオベーションで最大限の賛辞を贈っていたのは当然のこととはいえ、千秋楽の観客の感性の高さにも驚いたのだった(防人は感動しすぎて、立ち上がることができなかった。まさに腰が抜けた状態だった)。エポーニーヌ役のナタニア・オングの透明感ある歌声による”On My Own”は彼女の涙と共に会場を包み込んでいたし、僕の大好きなテナルディエ(ルーク・ケンプナー)とマダム・テナルディエ(リンジー・ヘイトリー)は会場を笑い渦に包み込んだ。

これが愛知県芸術劇場だ。以前、ベルリンフィルのコンサートにも来たなぁー。

感動的な舞台が終わり、撮影可能なカーテンコールとなる。みんな総立ちだ。

役者さんも、オケの人も、観客もみんなで拍手拍手。終了してもしばらくの間拍車は鳴りやまなかった。この後、ツアーは東南アジアの国々を巡るらしい。

感動のあまり放心状態で会場を後にする感性の高い観客の方々。防人家もエネルギーが吸い取れ、空腹を覚えたので来来亭に直行したのだった。
劇場において人生で初めて鑑賞したミュージカルが、この”Les Miserable”だった。その後はミュージカルにはまり込んで、”Man of La Mancha”、”The Phantom of the Opera”、”Miss Saigon”、”Cats”、”Jesus Christ Superstar”、・・・と続き、”Elisabeth(愛と死の輪舞)”に至っては、宝塚歌劇団だけに留まらず、ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場まで奥さんと共に二回も見に行ってしまった。この”エリザベート”は、名古屋の進学校である東海高校のカヅラカタ歌劇団(タカラヅカ歌劇団では女性劇団員が男性を演じるが、東海高校では男子学生が女性を演じるので、タカラヅカの逆、すなわち”カヅラカタ”なのだ)による公演も何度も見に行ったりして、もはや生活の一部となっている感じがするくらいだ。釣りや登山などの長距離ドライブの時は、一人車の中で、これらのミュージカルの曲を大音量で流しているし、山に登っているときや川を釣り歩いているときは、不意に、前触れもなくこれらのミュージカルの曲が頭の中を駆け巡ることもしばしばである。このようなことになったのも、あの高校時代、正確に言うと、あの浪人時代に、この”Les Miserable”というミュージカルに出会ったことがすべての出発点だったのである。
I dreamded a dream(防人偏)
夢を見てたのねぇー 望み高く妄想してぇー
釣果すべてだとぉー 神は許し給うとー
尺アマゴに満ち溢れェー 夢は輝いていたー
自由に渓を遡りー 歓び追いかけたー
夢は悪夢にぃー ボウズの牙が望み引き裂きー
夢食いちぎりぃー
夏、28㎝のイワナ釣れてぇー 喜びにあふれたぁー
写真撮ったけどぉー 秋にはもういないー
待ち続けているわぁー 尺アマゴの帰りをー
愚かな幻ぃー
木枯らしが吹き消しぃー 夢見た釣果
今地獄に落ちて
二度と私には 夢はかえらないぃー
来シーズンの釣りは頑張りまひょッ!
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