Defender購入への道程(ピヨピヨ日記13:契約)

Defender購入日記

 日枝山(ひえのやま。日の枝とはつまり太陽の枝ということ。比叡山のことである)から放たれた光の矢を京都の西側にある松の尾でキャッチする。つまり、夏至と冬至の太陽の光を西側にある松尾大社で観測する。松尾大社の「松」は植物の松でなく、農業の神を「待つ」である。前年の農業の神様が去ったので、新しい農業の神様を「待つ」ということで、お正月の門松も農民が新しい農業神を「待つ」ために立てられたのだ。稲作をするためには、毎回いつから農作業を始めるかということを決めてその時期を待たなくてはならず、そのためには暦を把握する必要があった。そして、東の比叡山から登る太陽の位置を西の松尾大社で観測し暦を知ったのである。この重要な役割を担った日枝山(比叡山)にはオホヤマクヒの神が祭れていたのだが、平安朝初期に伝教大師(最澄)が延暦寺を開いてからは、滋賀県側の坂本に追いやられてしまい、現在は日吉大社(日吉の「吉」は万葉仮名では「枝」「叡」と同じ音らしい。つまり、日吉大社は比叡大社ということなのだ)として現在に至っている(詳しくは「銅鐸への挑戦 第5巻 原田大六」参照!面白いよ)。

 であるならば、我々(僕と息子のトクチン)も日吉大社から比叡山を越えて、ランドローバー京都に赴き、契約し、ディフェンダーを松尾大社で車祓いする必要があるのではないか(ちょっと無理があるもって行き方か!)と考え、先ほどからトクチンと比叡山を登山しているのである。リュックには頭金の100万円が入っているので精神的にかなり重く感じる。リュックを置いてちょっとトイレなんてできはしない(一般的には登山者のリュックの中に契約金の100万円が入っているなんて考える人はいないか!)。

 先週の日曜日にランドローバー京都で試乗をさせてもらって、そこで、埋蔵金のことを告白し…、

埋蔵金の話はこちら→ポチッと!

「私が、パジェロを買うときどれだけ苦労してお金をかき集めたか知ってるの?それなのに、あなたはあんなにお金を隠し持っていてどういうこと!」

「はい、スイマセン。弁解の余地ありません」

京都に試乗に行ったのが4月3日(日曜日)。次に日の月曜日、火曜日はひたすら謝り続け、水曜日に雪解けになり、木曜日(7日)の午前中には奥さんの口から、

「パジェロ買ったことが無駄になっているわけではないし、我が家の家計とは全く切り離してやってくれるのであれば…、仕方ないわねー。それに、やっぱりディフェンダーのデザインはかっこいいし、乗っていてとても安定感がるのでいい車じゃない」

 このお許しに有頂天となり、この日の夜10時にM田氏に「発注お願いします」メールを送っている。そして、4月10日(日曜日)に再びランドローバー京都に出向いて契約をすることになったのだ。なのに、我々(僕と息子のトクチン)は、車を京都の反対側の滋賀県坂本に駐車し、先ほどから比叡山を登っているのである。有史以来、坂本に車を置いて、リュックに100万円入れて比叡山越えしてランドローバー京都に契約金を払いに来た人が我々以外に他に何人いるのだろうか?

桜と新緑がきれいだねぇー!
比叡山の門前町坂本には穴太衆(あのうしゅう)という石工職人たちがいて、天然の石を巧みに積み上げる「野面積み」を得意とした。町中至る所に石垣があり、独特な雰囲気だ。安土城をはじめとして、戦国時代、江戸時代の城の石垣の多くは、この地域の石工職人が手掛けているようだ。
春爛漫。僕の頭のなかも春爛漫。

 午前7時半に駐車場を出発し、午前9時に延暦寺の根本中堂あたりに到着。鐘をひとつきして100万円を無事にM田さんの所に届けられるようにと伝教大師にお祈りする。ここから30分ほどで大比叡(848.1m)に到着。

日吉大社の脇を通り、比叡山高校の裏側を登り、この石段にたどり着いた。この石段を登りきったところから登山道らしくなってくるぞ。
僕とトクチンでお互い鐘を一突きずつ鳴らす。気持ちいいね。
比叡山延暦寺の大講堂。
京都に向けて下山開始。途中所々見晴らしの良い場所がある。このどこかにランドローバー京都や中さんちがあるのだなあ!
気持ちの良い尾根道をひたすら歩く。途中、雲母坂城という小さな城跡があり、二人で調査(と言ってもただ写真を撮っただけ)。
鷺森(さぎのもり)神社の参道!新緑がきれい。

 午前11:00に京都修学院に下山。鷺森神社を経て、宮本武蔵が吉岡一門と決闘したとされる一条寺下り松を経て、午前11:50にランドローバー京都に到着。予約時間の午後2:00より随分と早くついてしまったが、比叡山を越えてきた我々は腹ペコである。周囲を見渡すと行列を発見!なんと、天下一品の総本山があるではないか。早速並んで、僕は写真のラーメンとチャーハン大盛り、息子はラーメンと唐揚げライスを注文。ただ、ここは総本店限定メニューの牛すじラーメン豚重定食を頼むべきだったか。まあ、今後ここ周辺に頻繁に来ることになるので、いつでも食べられるか。

天下一品ファンにとっての聖地と言われているだけあって、混んでいるね!
つゆはトロっとしている。トンコツではなく鶏がらスープに数十種類の野菜を組み合わせたもの。登山後の体には最高だ。
食べてつゆが減ってくるとメッセージが!ウーム、明日は名古屋にいるから無理だな。

 12:30には食べ終わり、横断歩道を渡って対岸のジャガー・ランドローバー京都へ。タンクトップ、短パン、リュックに登山靴で現れた我々二人に受付の女性は一瞬硬直したようであるが、すぐにM田さんを呼んでくれた。席に着くなり、リュックから100万円を手渡す僕。それを驚くそぶりも見せず数えだすM田さん。

「1,2、…99、100!確かに。今領収書を作りますね」

登山後の体にアイスコーヒーが気持ちよく入っていく。

この前試乗したゴンドワナストーンの110が!八光カーグループのジャガー・ランドローバー京都はおしゃれな雰囲気だ。
レゴブロックとなったNew Defender90。思わず買いそうになってしまったが、ここは本物を買うので我慢我慢。
アイガーグレーの90ちゃん、お久しぶり。

 その後、M田さんと話したことで分かったのは、M田氏はディラーでの雰囲気とは対照的に相当の四駆野郎だということである。オフロード走行会や京都周辺の林道を忙しい仕事の合間を縫っては走りこんでいるようで、濃厚な四駆話(SUVではなく、四駆orRVである)を聴くことができた。15:00頃まで男三人(M氏、僕、トクチン)で話し込んで、旧型ディフェンダーのマグカップ、ランドローバーの語呂が入ったバックをお土産(マグカップは僕用、バックは娘用)を買って、ディラーを後にした。

一週間前に比べて、少し散り始めていたが、見ごたえはあった哲学の道。
有名な南禅寺の三門。高さ22mもある。臨済宗南禅寺派の総本山。
インクラインは撮影スポット化していた。全長582m、高低差36mのインクラインは世界最長の鉄道線路跡らしい。琵琶湖疎水で船の運航のため、この斜面では、この線路を用いて船を上げ下げしたという。

 北白川通りを南下して、銀閣寺から哲学の道。一週間前は雨の中歩いたが、今回はとても良い天気。途中、トクチンとアイスクリームを食べたりして、散り始めた桜を眺める。こちらとしてはリュックの中の100万円を無事届けたという安心感から極めてポヨヨンとした気分である。その後、南禅寺の三門にたどり着き、桜も最高なので思はず「絶景かな、絶景かな」と叫んでしまう。更に歩き続け、蹴上疎水公園のインクラインを歩き、16:20に蹴上駅に到着。京阪京津線で浜大津へ。そこから、坂本へ。17:20にパジェロの駐車場へたどり着き、今日の行程は完了した。帰路は関ケ原まで下道で行ったが、あまり遅くなれないので、そこからは高速で名古屋へGo!

京津線浜大津の駅。最初、地下鉄で始まり、その後ふつうの通勤電車、更に登山鉄道化し、ここ浜大津付近ではチンチン電車となる。とても盛りだくさんの面白い電車だ。
坂本駅近くの巨大な桜。石垣とともに美しい眺めだなあ。
オッ!パジェロ「(一番手前の車)が見えたぞ。盛りだくさんな一日だった。トクチンはあまり疲れていないようだ。

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