「ぶつり」ー「ぶ」=「天才」
という方程式がある。この方程式をもう少し変形すると、
「つり人」=「天才」
となるのだが、この解は僕自身なのだと信じて疑わない防人であり、このような吾輩が釣りブログを立ち上げて、運営したならば、誰もが羨むような魚たちの写真、美しい自然、そこでのキャンプ飯のオンパレードで、途端に人気ブログになり一日当たりのPV数も1000を超え、アフィリエイトブログとしてお金がザックザック入り、さきもりちゃんの維持どころか、アストンマーチンDBX707あたりをもう一台所有してもいいかなぁー!なんてことになるのではと妄想すると、日々楽しくて仕方がないのであった。
そんな妄想のさなか、寒挟川上流がすでに解禁していることを知り(最近は釣りから遠ざかっていたので、解禁日のことを意識していないからねー)、
「それなら、この前登った竜頭山の所を流れていた川とかも含め、天才である防人様直々に様子を見に行ってやるか」
と考え、早速釣竿をさきもりちゃんに積み込み始めた。それをみたうちの奥さんは
「ブログで自慢しようという下心ありまくりな人に引っかかるノー天気な魚なんているのかしら?」
とこの釣りの天才の背中に失礼な言葉を投げ掛けてきた。信州で自動車学校(愛知の方言で”シャコウ”という)を卒業して、愛知で試験を受けるために帰ってきている娘を助手席に乗せて我が家を出発。途中の平針運転免許試験場で娘を降ろして、その後、153号線で豊田市、そのまま進み301号線で作手、そこから左折して鳴沢の滝、豊川を上流に向かって走り、現れたファミマ(設楽町清崎店)で入漁券を購入。再び、当貝津川の鳴沢の滝の駐車場に戻り、ワクワクする思いを抑えて釣りの支度。いざ、川を歩きだすと・・・!

鳴沢苑の駐車場にさきもりちゃんを停めて、ワクワクしながら釣りの支度をする。先行者の車はなく、この谷は今日一日吾輩のモノだ。

これが守義川の流れ。僕はてっきり小滝川という名前だと思っていたが、釣券買う時に貰った地図には守義川とあった。アマゴちゃんがウジャウジャ釣れるのでは!
若い頃は、フライラインをシュワシュワ頭上で操りながら、石をぴょんぴょん飛び跳ねるように渓流を走り回ったのだが…、石のぬめりや渓水に洗われていて良く視認できない石にビビりながら、よたよたと川に入る。その上、この前自転車で転倒して打撃した左ひざを曲げると痛くて思うよう河原の登下降が出来ない。毛バリを投入しようと、投げると後ろの木に引っかかり、先ほど結んだ毛バリが消滅。石の上に腰掛けて毛バリを結び直そうと思い、川から上がろうとすると、ヨタヨタヨロヨロ、アレレッ!と体制崩して川の中で尻もちつきバシャーン!僕は腰までの長靴を履かずに、アウトドアー用の速乾性のあるズボンでいつも釣りをするので、このような事態になると大変だ。二月の冷たい渓流の恵みを一手に引き受けることになる。
その後、二時間ほど毛バリを投入し続けるも、僕の毛バリはただただ静かに川面を流れるだけ。こっちはやる気があるのに、魚さんがやる気がないのでは仕方がないか。「こちらはお腹が空いたのに、魚たちはお腹が空かないのか」と不思議に思いながら、ランチに良さそうで暖かそうな場所を見つけたのでそこで飯とする。カフェレストラグランジュのオープンだ。

本来はココに魚の写真が掲載されるはずなのだが!おかしいなあ?

ランチは家で炒めてきたチャーハン、ファミマのたまごサラダ、更に味噌汁といういつもの内容。

食後は砂糖いっぱいのミルクコーヒーを作り、それを飲みながら一時間ほどポヨヨンとする。最近は山に登るにしても、釣をするにしても、この時間を最大の楽しみにしているような気がする。背後には鳴沢苑の駐車場とそこにチョコンとさきもりちゃんが停まっているのが見える。
昼飯後、一回だけチビアマゴが僕の毛バリをおちょくってきた以外は無反応のまま三時半になった。娘からラインがあって免許試験合格したそうだ。こちらはというと…、とホホホッ!
去年たしか、5連続ボウズ(魚が釣れないことを”ボウズ”という)だったような。その記録が更新され6連続ボウズ!そもそも、若い頃も、深山幽谷の源流部の無垢なイワナやアマゴを釣ることが得意だった防人であり、人々に攻め立てられていて学習能力の高い魚たちを釣るのは苦手としているのだった。ムムムッ、これって天才でないということか?最近は道路のそばの川に立ち寄って釣りをするものだから思うように釣れないのかも。もっとさきもりちゃんの能力をフルに使い、林道を入れるだけはいらなくては(傷ついたら嫌だなあ!)。ボルダリングで鍛えた技術を使って渓流の奥深く入り込まなくては(打撃した膝が痛いからなあ!)。色々障害が立ちはだかる防人であった。
「谷を吹く風も冷たくなってきたことだし、今日はここまで」
と3時半にして釣り終了。この後は、楽しみなさきもりちゃんとのドライブが待っていると思うと、釣もそこそこに車に戻って、服を着替えてドライブモードになるのであった。
「天才防人が教えるフライフィッシング上級テクニック」
というブログのタイトルは頭な中からすでに消え去り、
「ピヨピヨ釣日記!ボウズからの脱却の日はいつに‼」
というタイトルが頭の中をフワフワと漂い出すのだった。

午前中は水面に浮かべる毛バリ(ドライフライ)を使ったが、反応がなかったので、午後は沈めて使う毛バリ(ニンフフライ。写真参照)を使ってみた。魚はカゲロウなどの水生昆虫を捕食する。このような水生昆虫は幼虫の時は水面下で過ごし、成虫になるとき水面で羽化して、その後は水面近くをフラフラと飛び回る。ただ、2月の低水温では羽化する水生昆虫はほとんどなく、みんなまだ幼虫のままだから、魚さんもあまり水面には意識が行っていないのだろう。どちらにしても、水面だろうが水面下だろうが、僕の毛バリに魚さん達は全く興味示さなかったことだけは紛れもない事実である。やる気のない奴ら(魚たち)は嫌いだ!
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