Defender ドナドナ日記7 (我が家のディフェンダー90ついに退院)

Defender

 最近の家電と同様に、ランドローバーのディフェンダーもスマホから色々確認、指示が出来る。エンジン始動させたり、燃料の残量、ドアや窓の開閉状態、現在の所在地、そして走行履歴などを簡単に調べることが出来るのだ。去年の11月中旬に入院して以降我がさきもりちゃん(我が家のディフェンダー90)の所在地は京都、そして走行履歴も更新されないままであった。

 ところが、1月の下旬、走行履歴に変化が現れた。それによるとさきもりちゃんはディーラーから大原三千院まで往復し、京都市内をぐるりと走って戻ってきたようなのである。これは部品交換が施され、走行テストを行ったのではないかと想像された。まさか、社員の人たちで、

「三千院まで観光に行こうぜ!オッそうだ、防人さんのディフェンダーがあるからこれで行くか‼」

なんてことは無いはずなので、これは退院の日も近いのではと期待が高まっていた矢先、サービスのM田さん(営業のM田さんと同じになってしまうので、紛らわしいね)から電話があり、

「長らくお待たせしました。作業終了し御納車できます。車を名古屋までお持ちします」

とのこと。これに対して、僕は

「この日を待ちに待っていました。しかし、名古屋に持ってこられてはこちらの運転の楽しみ、京都にドライブする楽しみが奪われてしまうので、こちらから伺います」

ということにして、次の日曜日(1月28日)の早朝6時、トクチンをたたき起こして、ワクワクしながら代車のディスカバリースポーツに乗り込んで、エンジンをスタートさせた。

名古屋⇒清洲⇒稲沢⇒海津と走り、この写真はブラックバス釣りで有名な大江川の所で撮ったもの。ここで日の出を迎える。
木曽川、長良川と渡り、写真は揖斐川だ。東の方向(名古屋方面)は晴れているが、ここは雲がかかっていて、雨もぱらついていた。
養老⇒関ケ原と越えて、中山道60番宿の柏原宿。3日ほど前に降った大雪がまだ大量に残っていた。
雪の柏原宿を眺めながら、キンキンに冷やしたコメダのミルクコーヒー(いつものヤツ)を飲んで、のんびりする。
柏原宿西見付跡。つまり、見張りの人を置いた施設があったところのようだ。雪とディスカバリースポーツの白がシンクロしている。
ひたすら西進して琵琶湖に出ました。この時間帯、西の比良山系、比叡山は雲に隠れて見えていませんね。
琵琶湖大橋を渡る。左手は比叡山だ。右の山は比良山系で、こっちは雪で真っ白だった。それにしても、朝の琵琶湖大橋は気持ちがいい。
昼飯は宝ヶ池の北側にある“グリルタカラ”を選んでみた。やっている気配がないが、よく見ると、営業中のようだ。店舗は二階にある。
階段を上がって店舗に入ると、そこは一気に昭和な世界にタイムトリップ。
このクリームソーダ―越しに店舗を眺めると、妙に落ち着くのは、僕が昭和生まれだからか。
どうです!これが250gのハンバーグだ。よくこねられたハンバーグにはてりやき風ソースがかけられていて、ご飯が進む。もちろん、僕とトクチンはご飯大盛りだ。中さんは普通盛り!

 土曜日(27日)にディーラーから連絡があって、次の日の日曜日に京都に行くことが決まった。そして、その日のうちに中さんにラインをすると、「明日は昼飯でも食べるか」と言うことになったものだから、土曜の午後の仕事中に京都のハンバーグ店を研究する。すると、去年の夏に行った宝ヶ池のドルフのやや北(同志社中高キャンパスの東隣)に”グリルタカラ”を発見。今回はそこに行ってみることにした。周囲は閑静な住宅街でその中に同志社中学・高校のおしゃれな建物が溶け込んでいて落ち着いた感じ。近くの公園の駐車場に中さんのレンジローバーSEを駐車して、店内に入ってみると昭和な懐かしい感じが漂いまくりだ。メニューもコルドンブル、ビーフステーキ、ビーフカツ、チキンカツ、…と僕の好きなもののオンパレード。しかし、ここはまずはハンバーグを注文しなくてはハンバーグ研究家としての面目が立たない。僕とトクチンは迷うことなくハンバーグ、中さんの

「防人!俺がコルドンブルを頼んで、互いに半分ずつするか?」

という申し出に対して、

「初回は、まずはハンバーグを研究しつくさなくては!」

という僕の固い決意に根負けして、結局、三人みんな250gの大きなハンバーグを注文し、たっぷりと味 ってお腹はいっぱいになった。今思い返してみると、中さんの言う通りそれぞれ異なるメニューを食べ分けた方が面白かったのだろうが今となっては後の祭り。

 食後はいよいよランドローバー京都に行き、サービスのM田さんから説明を受ける。今回のエンストの原因をまとめておこう。

 原因は、燃料ポンプとそのモジュールから成るシステムの異常ということのようだ。このモジュールがEFI(電子制御燃料噴射システム)に信号を送り、燃料ポンプの燃料調整を行っているようなのだが、燃料ポンプが作動時に電磁波を輻射し、それがモジュールの誤作動を引き起こし、燃料を制限してしまったために、エンストが発生していたらしい。前回の修理ではモジュールを交換したようなのだが(そしてこれで治る場合も報告されていたようなので)、その後もエンストが発生したため、今回の燃料ポンプの異常にたどり着くことになった。メーカーの記録ではディフェンダーのガソリンエンジンに今回のような症状が稀に見られるが、同じガソリンエンジンでも他の車種にはないらしい。ちなみにディーゼルでもこのような症例はないということだ。今回は燃料ポンプの交換と関連する配線の電磁遮蔽を施して修理が完了したのだった。入院から二カ月半が過ぎていた。時間がかかった最大の理由は、燃料ポンプが本国で欠品していて、それが日本に送られるまでに(船便ではなく航空便です)時間がかかってしまったことによる。

さきもりちゃんは中さんのレンジローバーSEと初対面だ。それにしても、さきもりちゃん!少し太ったか?
背後に近江富士(黄色の矢印で、三上山という)、琵琶湖を従えてご機嫌のさきもりちゃん。
営業のM田さんに貰ったお土産を開けてみると、ナントDefenderとかDiscoveryとの語呂が入った坂角のおせんべい(エビせん)だ。感動していると、ディフェンダーJrもやってきてのぞき込んでいた。京都に行って、愛知が本家で愛知県民にとって有名なお菓子を頂くのも不思議な感じがした。

 今回の二カ月半の修理入院は心理的に辛かった。納車までの7か月間はウキウキしながらあっという間に過ぎ去ったが、今回の二カ月半はとても長く重く感じ、色々と考えてしまった。以下ではつらつらと考えていたことをまとめておこうっと!まあ、これは備忘録ブログだからね。

その1 エンジンは本来停止してはいけないもの。何故なら、このようなことが起こると生死にかかわる重大な事故につながるからである。現実に、ホンダ車の燃料ポンプによるトラブルで、去年の夏(だったかな)に高速道路上でエンストし、死傷事故につながっている。この件でホンダはリコールを表明している。であるなら、今回のディフェンダーのガソリンエンジンの燃料ポンプ系の一連の不具合はリコール案件ではないのか?新車で購入して一年以内に二回もエンストしているのである。これが高速道路上であったらと思うとゾッとしてしまう。

その2 職場でアバルトに乗っている人がいるのだが、スーパーの買い物が終わって帰ろうとしてエンジンスタートさせようとしたが、始動せずそのまま入院となったらしいのだが、修理費がなんと70万円。メーカーの保証期間は過ぎ去っていたため、70万円払って修理するらしい(結果的には76万円だった)。我がさきもりちゃんの保証期間が過ぎる頃にはトクチンは大学生になる前後(大学生か浪人生)であり、学費、予備校代、下宿した場合の仕送り、などで我が家の家計は大変だ。そんな時期に高額修理費を捻出する余裕はない。僕のディフェンダー資金は5年後のローン完済時に底をつく。どうにもならないな。

その3 オヤジが今年の元旦に他界し、年金の支給が停まった。オヤジの口座に残るお金は220万円ポッチ。山梨の家(二軒分)と八ヶ岳の別荘の年間維持費(固定資産税、本などの整理で月に1~2回帰省する代金も含む)は合計80万円ほど。更に、オヤジの大量の本を入れてあった物置(イナバの物置みたいなやつが5~6棟)の撤去費用なども考えると、2年しか持たない。それ以降はこちらのディフェンダー資金が食いつぶされることになる。そうなったらディフェンダーの維持どころではない。

その4 そもそも”その2”や”その3”の悩みを今さら考えている時点で、将来の読みが甘かったということではないか。職場の女帝殿は僕に強い口調で言った。

「防人さん!大学生の娘さんやこれから高校、大学と進んでいく息子さんがいる時は一番お金がかかるときですよ。そんな時にディフェンダーを買うなんて親の自覚が無いんじゃあないですか。まあ、お父さんやお姉さんと同様なDNAを持っているから仕方がないのかもしれませんけどね」

図星である。それなら、今のうちにディフェンダーを売って、その差額でジムニーシエラにして、固定費を縮小するか。そう思って二度ほどランドローバー京都に電話したが、二度ともM田さんは商談中だったり、休みの日だったりして連絡はつかなかった。

「こちらから連絡するように伝えましょうか」

と言われたが、

「イヤッ、まあ、またこちらから連絡します」

と胡麻化して電話を切った。今となっては、この時、M田さんと話をして、この話が進まなくてよかったと思っているが、もし進んでしまった場合、このブログのタイトルはどうする。てんぷらさんから教わった知識では、ジムニーは北米大陸では”サムライ”と呼ばれている。Jimny=サムライ=サキモリ=Defenderだから大丈夫か。

その5 ジムニーシエラにすることは僕にとってつらいことかというと、逆に楽しいことでもあるのだ。MTの設定もあるし、昔から好きな車でもあるから、なんだかワクワクする。だから、さきもりちゃんが入院中に、浮気心が芽生えて近所の(歩いて一分くらいのところ)スズキのディーラーを覗いてみたりした。そこで、

「今乗っている車が、納車一年目で二回ほどエンストしましてね…!」

というと、スズキのディーラーの人(サービスの人であり営業もこなしている感じだが)は、

「一体、どこの車に乗っているのですか?」

と聞いてくるものだから、「ディフェンダーです」と答えると、

「ああーッ!ディフェンダーね。それなら仕方ないですわ。受け入れましょう」

「ですよね」

ということで、一件落着してしまい、パンフレットだけもらってスゴスゴと帰ってきたのだった。

その6 このようなお金にならない雑記ブログなんてやっていないで、アフィリエイトブログでも始めるか。そこで得られたお金をディフェンダー資金にしたらどうだろう。また、実家や別荘が上手く売れたら、そのお金でさきもりちゃんに加えて旧型ディフェンダーも所有できたりして。しかし、実家はあまり高くは売れないだろうなあ。近所で売りに出た家が5年も6年も売れずにいるからね。もしかして、オヤジの中国雑貨が一億円とかで売れたりして。しかし、これも宝くじに当たるような確率だろう。期待できないね。

その7 大好きな京都に行って、そこの高級輸入車ディーラに出入りして、ディフェンダーやレンジローバーを眺めて、自分もディフェンダーのオーナーにまかりなりにもなっているこの状況は夢のようなものである。夢はいつかは覚めて現実に戻るものである。歩いて一分の近所のお店で選んだジムニーシエラを運転するという日々は身の丈にあっており、色々とお金の心配をする必要もなく、好きなMT車で燃費も良く、レギュラーガソリンで修理代も安い。これが夢から覚めた現実の生活なのだろうか。まあ、この生活が悲しいと思うのではなく、楽しく思ってしまう自分がいるにはいる。MT車で再びダブルクラッチとかヒールアンドトゥーとかもでるぞ(ジムニーはそんな運転をする車ではないか!)。何よりも険悪なダートに突入できるではないか。

その8 あらためてディフェンダー(旧型)を20万キロ、30万キロと維持し乗り続けている人のすごさを感じるな。故障、修理費用、忍耐力、ディフェンダーへの愛情、家族の理解、家族の理解を得られるだけの経済力、…、すべてが調和していないと長期的な維持は難しいのだ。僕なんて一年目で、たった一回の長期修理でこんなにピヨピヨになっているではないか。情けない。

その9 何で上記のようなさきもりちゃんの維持にたいして後ろ向きなことばかり考えるのだろう。 今回、代車生活が長く、僕にとっての代車、すなわち、ディスカバリースポーツは移動手段に近く、趣味的な気分からは遠いところにある車であった。もちろん、ディスカバリースポーツは加速性能、高速安定性、ファミリーでの使用感、燃費、都会的に洗練されたデザイン、…どれをとっても申し分ないのだが。代車だからよそよそしい感じだし、僕にとって大事な遊び心が無いのだ。ピクニックテーブルもついていないし、ルーフにも乗れないし、…、まあ代車だから勝手にカスタムできないから仕方ないのだけど。このような代車生活が長くなると、車が趣味だという感覚から、実用的手段であるという思いの方に引き寄せられていく。そうしてくると、手段にあまりお金をかけていられないという気分となってきて、上記のようなマイナス的思考が頭を支配するようになったのではないか。

 なんだか代車期間のピヨピヨ状態をダラダラ書いてしまったが、まあこれもピヨピヨ日記たる所以だろう。ここはもう一度、昔の、ディフェンダーが納車されるまでのワクワク感を取り戻さなくては。アッ!そうだ、ディフェンダー購入ピヨピヨ日記を読み返すかな。

 京都でディフェンダー90(さきもりちゃん)を受け取って、いつものように下道で、来たときと逆の道をたどり名古屋に向かったが、ハンドルの重厚感、着座位置の高さ、剛性感、…、やっぱり僕はディフェンダーが好きだ。この気持ちがあるうちは、何とか頑張ろうという闘志(投資?)が沸き上がってくるのを感じたのだった。

追伸 このドナドナNO7を書き終えた時点で、まさか、ドナドナNO8が始まるとは思わなかった。さきもりちゃんのエンストは、人知を超えた複雑な原因 or あまりに自明すぎて誰も気が付いていないかんたんな原因なのかもしれない。ふっー!我がカーライフはどのような方向に転がっていくのだろうか?

コメント

  1. てんぷらさん より:

    さきもりちゃん退院おめでとうございます。
    防人さんの読みどおり、三千院への走行が試走だったんですね。
    ディーラーが京都だと取りに行くのも、観光がてらになって楽しみですよね^ ^
    お店での食事、シェアにハマるとやめられないですよ。初見のお店でも2種類試せますから、満足度二倍です。たまに外れでもリスク軽減に繋がります笑
    ジムニーシエラ、私もオーダー不可で断られた際に見に行ってました。やっぱり気になる存在ですよねー、もう一台はこれですよね。
    でも代車も違和感があって、さきもりちゃんが戻ってきて、ハンドルの重さや椅子の座り心地がしっくりくるなら安心しました。もうディフェンダー愛は充分に感じられます。これからも長く乗ってください。

    • さきもり さきもり より:

      てんぷらさんありがとございます。さきもり号がいない時は色々とよからぬことを考えてしまいましたが、
      戻ってくると、やっぱりディフェンダーの運転楽しくて仕方がないです。それと共に、代車で乗っていた
      ディスカバリースポーツの偉大さも認識できました。加速性能、スポーツ的な運転感覚、燃費、使い勝手の良さ・・・
      が体に染みついてしまったので、ついついディフェンダーでも同じ感覚で乗ってしまうと、モコモコ感が
      伝わってきて、「アッ!これはさきもりちゃんだった」と我に帰ることしきりです。
      てんぷら号ももうじきですか?お互い、ディフェンダー生活に入ってから話題に事欠きませんよね。
      お会いした時は、二台でドライブより、二人で語り合いがメインになりそうですね。
      てんぷら号の退院を心待ちにしています。

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