Defenderピヨピヨ日記(NO9 サイドマウントキャリアーとルーフキャリアー装着)

Defender購入後日記

 アルプスの雪のようなフジホワイト色(書くとしたら、「富士山の雪のような」が正解か)に塗装したサイドマウントギアキャリアーとエクスペディションルーフキャリアーの装着の日がやってきた。7月2日、日曜日、朝5時に目が覚めるとソワソワ。5時30分にはさきもりちゃんのエンジンをスタート。回を重ねるごとに出発の時間が早くなってきているのだが、これは素直に高速を使わず、下道でドライブを楽しみたいからなのである。基本的に高速、大通りは嫌いで、なるべく生活感のある道や、自然の中をクニャクニャ走ることになる道、場合によってはダートなんかが好きなものだから、そのような道を選びだすと時間がかかるため、出発時間がだんだん早くなることは極めて自然なことだ。すべての道は都(京都)に続いているので、組み合わせは無限である。今回は、琵琶湖大橋で有名な国道477号線の一部区間をトレースしながら入洛しようという魂胆なのだ。国道477号はマニアの間では酷道477号と呼ばれており、琵琶湖大橋前後で見せる極めて走りやすく広い現代的な雰囲気の道路という表の顔に対して、京都大原の山中でのクニャクニャ、極細で対向車との離合困難、ガードレールなしの谷への突き落としなどが連続するという裏の顔を持つ。そして、何と言っても国道477号を酷道477号へと昇華させたものが、切り返しなしに曲がることが出来ない『百井別れ』の存在だ。今回は名神竜王インターで降りて、477号に入り、琵琶湖大橋から『百井別れ』までの区間を走ってみようという計画だ。『百井別れ』からは有名な切り返しをせず(極めて残念だが)、そのまま県道38号線を鞍馬へ下りランドローバー京都を目指す。

 竜王インターを降りて、さきもりちゃんを道路脇に停め、保冷バックでガンガンに冷やしたコメダのまろやかミルクコーヒーにストローを突き刺し、パワーを全開にする。

安養寺町付近の477号線。前方右に曲がると道幅が急に狭くなる箇所がある。その後、踏切を越えて、日野川を渡る。
小田町内を走る。正面左は小田神社。鳥居の奥は重要文化財の楼門。この辺りはサイクリングが気持ち良いかもしれない。
琵琶湖大橋。ご存じだろうか!反対側(守山市に向かう)の追い越し車線を60㎞以下で走行すると、自分の車のタイヤが『琵琶湖周航の歌』を奏でることを。
途中トンネルに向かう途中(クゥー!ここを通るときはこのギャグは一発かましておきたいよね)。ここから国道367(上の橋)としばし並走区間となる
途中トンネルを越えて、大原に降りてくるところを百井に向けて右折して再び477号線に入る。
ここまでが国道477号線、ここから先が酷道477号線。この世からあの世への入り口か。
「車両離合困難」の看板が高揚感を増幅!
前ヶ畑峠。ここを降りると百井の集落。
百井の集落。京都の軽井沢と言われているようだ。『ちょっといっぷく』というカフェがあったが、この先の所要時間がわからないので、次回に寄ってみようかな。
「オッ!せっせっ狭い」これぞ酷道477。燃えてくるぜ。この道はディフェンダーの幅とちょうど同じくらいでしたな。ちゃんとディフェンダーのこと考えてあるんだなあー。
百井の集落内の477号線はとにかく狭い。離合不可能区間だ。
クニャクニャ極細の山道を走り、いよいよ『百井別れ』に向けての最後のコーナーを曲がる。
でたっ―!初めてだけど雰囲気で『百井別れ』と感じとれてしまう存在感。そのまま、真っすぐ行くと県道38号線になってしまう。
完全に折れ曲がる感じ。あのジムニーもやってきたけど、切り返していたなあ。ディフェンダー130で来るべき所かもね。
ここまではバスも来るようですな。
鞍馬温泉に到着。割と近かったな。

 9時30分、ランドローバー京都に到着すると、社員さん総出で草むしりをしていた。僕の到着に気が付いた女性の方(前回の時の到着時も対応してくれて、「くまモンのTシャツ似合っていますね」誉め言葉?を投げ掛けてくれた人だ。サービスの方かな!今回の領収書にはT村さんとあるが、この人だろうか?)が店内に案内してくれて、アイスティーを持ってきてくれた。そして、今日の作業工程の話をしてくれて(アッ、だからこの方はサービスの人なんだな!?)、その後、M田さんと挨拶をして(今日彼は午前中から納車式で忙しいようだ)、その後はDさんと話す。

75周年の緑色の90は売れたんですか?」

「イやーッ!売れなくて我が社の車として登録しました。希少性があるからあちらこちらに宣伝したんですが、やっぱり、皆さん110の方を好まれまして…。」

「我々90愛好家としては、もっと90の布教活動をしていかないとダメですね。その最前線にDさんに立っていただかないと!」

などと会話を交わすのだが、実は僕としてはあまり90が増えてほしくないと思ったりもしている。あくまで、絶滅危惧種として、街中で時たまディフェンダーに遭遇してもほとんどは110で、90であることはほぼないという状況がたまらなく好きなのである。そんな90を選ぶ人は、M田さん曰く、

「濃厚な人が多いですね。その中でも、防人さんは究極ですが!」

と太鼓判を押されているのだ(ということはDさんも濃厚な人ということか!だから話が合うのか⁉》。

2021 World Car Design of The Yearはランドローバーのディフェンダーが獲ったということかな。その記念の限定車90?マッドなブラックがカッコいいぞ!
レゴブロック化されたディフェンダー90。やっぱり90はデザイン的に最高にかっこかわいいので、レゴブロックにもなるのよねー。みんな、90をもっと買おう(やっぱり買わなくていい)。

 その後は、席に座り京都周辺の山の地図や京都一周トレイルの本を読んで妄想を膨らませていると、先ほどの女性(T村さん⁉)がやってきて、

「今から、工場見学と取り付け作業をご覧いただけますが、どうなさいます」

という夢のような提案を受け、中さんも仕事のメールのやり取りでしばし遅れるようなので、このまたとない機会を逃すことはありえない。

「よろしくお願いします」

と 返事をして、彼女の後をヒョコヒョコとついて階段を上がってみると、ショウルームの上は整備工場となっていて、納車を待つデフェィンダーやレンジローバー、整備中のディスカバリーなど沢山いて、その中に、これからサイドマウントキャリアーとルーフキャリアーの装着を待つひときわカワイイ我がさきもりちゃんがピットに入っているではないか(完全なオーナー馬鹿だ)。駆け寄ると、今日の取り付け作業を行ってくれる、若い整備士のM下君がやってきて、段ボール箱を開けたりして写真を撮りやすいように気を使ってくれた。こちらの質問にも終始にこやかに説明してくれて、好感が持てる青年だ。

さきもりちゃんの前にあるのは、エクスペディションルーフキャリアーである。段ボールを開けたばかりのホヤホヤ。
八光自動車が誇るBTC(マクラーレンやアストンマーチンの板金塗装をこなす職人集団がいる工場)にて、フジホワイトに塗装された僕ちゃんのサイドマウントギアキャリアー。
右後方のパーツを取り外す。意外に簡単に外れて驚いた。
サイドマウント装着のためのネジ位置を確認して、取り外したパーツにチェックを入れる。
取り外したパーツにドリルで穴をあける。
ルーフレールの下準備もする。
サイドマウント自体の準備中のM下君は、にこやかに顔をあげて、「緊急事態ですので、工場から退出願います」と一言。
さきもりちゃんの運命は如何に。「先生、さきもりちゃんが助かる見込みはあるのでしょうか!」廊下で泣き崩れる防人。

 M下君は着々と準備を進めていく。まずは、サイドマウントギアキャリアーを装着するようだ。ディフェンダーの右後方のプレートを取り外し、ドリルで穴をあけ、再び装着し、ルーフラックに装着のためのパーツをはめ込んだ。お次は、サイドマウント自体の準備に入る。しばらくすると、M下君にこやかに顔をあげて、

「緊急事態発生です。整備工場からの退出をお願いします」

と言われて、ショウルームに戻されたのだがいったい何が起こったのだ。

 大学病院の手術室で、間違って動脈を傷つけてしまって血がプシュッ!鳴り響くアラーム音、緊迫した手術室で忙しく動き回る人々、見学中の医学生は急遽退出を命令されて、…。こんな妄想が僕の頭を駆け巡る。

「先生、僕のさきもりちゃんは助かるのでしょうか」

「今現在、我々も出来るだけの処置はやっております。今夜が山場かと…」

「先生ィッ、何とかお願いします」

泣き崩れる防人、肩を支える中さんッ…てやっと登場かい。ということで、中さんのアーバンナイトディフェンダーに乗り込み、鞍馬川源流の様子見、ワイルド‐1においてフライフィッシングの道具購入、そして、お嫁ちゃんも加わり、ドライブ中に発見したドルフというカフェレストで昼飯を食べる。ここはカフェに毛が生えたようなレストランかなと期待せずに入店してみると、ハンバーグ、ビーフシチューなどしっかりとした食事が取れて、スープ、サラダ、メイン、飲み物がつくという驚きの内容。僕は研究のためハンバーグを注文するが、ボリュームがあってとても美味しかった。ふとスマホを見るとランドローバー京都病院から連絡が入っていて、そのことを中さんに伝えると、

「”大至急、手術室にお越しください。さきもり様のエンジンがかかるのも後30分だけです”なんていう内容だったらどうする?」

とおちょくられる。

 あわててランドローバー京都病院に行き、駆け上がると集中治療室に横たわるさきもりちゃん。神妙な面持ちのM田氏は僕にキーを渡し、

「最後のエンジンスタートをしてあげてください」

という。泣き叫びながらさきもりちゃんのエンジンスタートボタンを押す僕、…って一体なんなんだ。なッ訳ないだろうがッ!

 本当の内容は”装着終わりました”ということのようで、メールの所にビデオメッセージも届いてい、先ほどのM下君が「緊急事態ということはなく、あの後すぐに装着できまして、失礼しました」的内容だった。まあ、このさきもり緊急事態の内容だけで、昼飯タイムに中さん夫婦とはたっぷり盛り上がれたから良いのだけどね。「夕方伺います」とメールを入れ、その後は京都の中心街へ。丸善、キルフェボンでおやつのケーキ(高いけどめちゃくちゃ美味しい)、マールブランシュでのお土産の購入、などを経て、ランドローバー京都に戻ってきたのは夕方6時頃だった。

中さんのアーバンナイトディフェンダー110登場。いきなり僕が運転することになったが、違和感なく運転できるね。
『百井別れ』の所まで、鞍馬川の様子を調べに行く。今後の釣りのため。おかげで、中さんは短めのフライロッドが欲しくなったようだ。
ドルフ(田舎)という名前のカフェレストを宝ヶ池付近で中さんが発見したので、ここでランチを取ることにする。なかなかの人気店だ。
もちろん僕はハンバーグを注文する。ソースはトマトベースでハンバーグ自体はきめ細かく、まさかこんなにおいしいハンバーグ食べられるとは思わなかった。
京都中心部の駐車場。高級車が並ぶ姿は圧巻。
北山にあるマールブランシュ!抹茶中心のお菓子のオンパレード。とても美味しかった。

 戻ってみるとさきもりちゃんはすっかり変身し、可愛さに磨きがかかっている。フジホワイトに塗装されたサイドマウントキャリアーが眩しい。早速リアドアからスペアタイヤにヒールフックをかましてクライムアップし、ルーフキャリアに登ってみる。座り心地は最高で、これなら、この上でCafe Lagrangeをオープンしてのんびりコーヒーを飲むという妄想が実現できる(使い方が間違っている?)。もちろん、夏場は木陰でやらないと、太陽に焼き尽くされたて蒸発ものだが、ピクニックテーブルでコーヒーを入れて、二階のテラスでお召し上がりください的な感じを何度妄想したことか。それに道に迷ったら、双眼鏡をもってルーフキャリアの上に立ち、周囲を確認して…(ナビでいいじゃんなんて横槍入れてはダメよ)。これは昔読んだアウトドアという雑誌にも似たようなシーンがあったようななかったような。さきもりちゃんの雰囲気もよりモコモコした感じの可愛い姿となり、まさに僕好みになった。

 大事なことを忘れていたが、この前長野でエンジンストールした時の履歴を調べてもらったが、なんと、履歴が残されていなかったらしい。サービスの人曰く「ふつうはないのだけれど、ランドローバーの車は何故か履歴が残らないということがあるんです。ですから、このようなことが起こると僕らはカンで部品交換するしかないんです。困ったものです」とのこと。一応可能性のある部品を取り寄せて、今度交換してくれるらしい。ということは、また近いうちに京都に来れるということか! 

追伸 実はこの半年後、二度目のエンジンストールにより我がさきもりちゃんは長期入院してしまうのだった。更に三回目のエンストを経験し、上記の「エンジンスタートできるのも・・・」といった冗談が冗談でなくなってきてしまったのである。激動のカーライフが始まったのである!?

改造後のさきもりちゃんに見惚れる男たち。左から中さん、M田氏、M下君。向こう側にはDさん、所長さん、そして今日担当してくれたサービスの女性もいるね。
ルーフキャリアに登りはしゃぐ防人君。イヤーッ、いい眺めだ。それにフジホワイトに塗装したサイドマウントギアキャリア―も眩しい。
山中越えで琵琶湖に出て、坂本のよく使う駐車場でトイレタイム。イメージチェンジしたさきもりちゃんに思わずうっとりする。
今回、スペアーキーももらうことが出来て、やっとこれでひと段落といったところか。

 M田さん、Dさん、M下君に見送られながら、ランドローバー京都を後にし、山中越えの信号で中さんと別れ、僕とさきもりちゃんは比叡山を越える。峠から見る夕陽に照らされる琵琶湖は美しく、今日一日の疲れを吹き飛ばしてくれる。坂本でトイレ休憩し、琵琶湖大橋の追い越しレーンを走りながら琵琶湖周航の歌を聴き、さざなみ街道からは琵琶湖の高島方面や長浜の夜景を愛で、彦根の来来亭で夕飯を食べ、国道21号線で関ケ原、そして養老、海津、清洲、…、家に着いたのはちょうど0時だった。

コメント

  1. てんぷらさん より:

    防人様おはようございます。
    ついにルーフキャリアとサイドマウントギアキャリア装着されたんですね。
    しかもフジホワイトに塗装とは拘ってますね。羨ましいです。お高いのでしょうか?
    ルーフキャリアに登って下界を見下ろす使い方もいいですね。

    私も酷道好きでして、行って後悔して、滝汗かきながら2度と通らないと思いながら、また違う酷道を走ってしまいます(笑)
    ちなみに私のポリバケツブルー、ディフェンダー90は現在スリランカ先を航海中です。

    • さきもり さきもり より:

      さきもりちゃんと3日ほど信州、山梨を放浪していまして返信遅くなりました。なんと、90ちゃんはスリランカ沖ですか。いや、まてよ、今日は3日後だからマレー半島あたりか!これはワクワクですね。ということは、後10日くらいで日本に到着ですかね。納車がいよいよ現実のもととなってきましたね。3年間の長いストーリーの終わりが、そして、バケツブルー90との長い、楽しい生活の始まりが近いですね。納車されたら酷道、険道攻めに行きましょう。

      • てんぷらさん より:

        おはようございます。いえ、ディフェンダーライフを満喫されてますね♪
        そうです。マレー半島周辺です。てっきりシンガポール寄るかと思いましたら通過でした。そうですね。あと10日で亜熱帯国日本に上陸です。
        やってくる直前のこの時期が一番楽しいかと。険道もいいですね。

        • さきもり さきもり より:

          もしかして、てんぷらさんの90が乗った船は、HUA(黄埔港)に入港するのでは?我がさきもりちゃんの乗ってきた船と同じ港に寄る?なんだか、こちらも楽しくなってきたかもです。

          • てんぷらさん より:

            こちらも楽しくなてきたかもと言っていただきありがとうございます。おそらく香港かと思いますが、予定は広州(GUANGZHOU) になってます。ちなみに船名はMORNING CAROLです。お時間がありましたら覗いてください。7月22日豊橋到着予定です。

          • さきもり さきもり より:

            僕は7月20日に豊橋に着船するMorning Camillaの方を間違ってみていました。Morning Carolですね。了解しました。僕も楽しませてもらいます。

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