5日間の過酷な実家の片づけを終えた週の週末(この週は1日しか出社しておらず、わが社の女帝殿からは「机がなくなるよ」と脅されていた防人である)、今度は奥さんの実家のご両親を温泉に連れて行くというイベントがあったのだ。コロナ以降、好きな温泉を旅することもせず、家に籠りがちになっていたようだし、歳も年なので親孝行できるうちにしておいた方が良いという思いから、今回(防人が恋焦がれていた?)岐阜市長良川温泉の老舗旅館”十八楼”に一泊で温泉旅行に出かけることになったのだ。
「このような機会だから、日頃僕が泊まっているルートインとか東横インという訳にはいかないだろう。十八楼という旅館があるけど、御両親は喜ぶんじゃあないかなあ」
と奥さんに提案したところ、快諾され防人がたいそう喜んだそうだった。日頃、岐阜の金華山とか百々ヶ峰を登山するときはいつも十八楼を横目に歩いていて、「こんな旅館に一度は泊まってみたいなあ」という思いがだんだんと堆積していたので、防人の喜びもひとしおだったのだろう。
当日は奥さんの両親をピックアップし、奥さんと防人の4人で行動。夕方、現地の十八楼でトクチンと娘も合流するという計画であった。まず、さきもりちゃんと共に岐阜のうだつの上がる街並み、和紙の里として有名な美濃市に向かった。

ついに旧型ディフェンダーを購入しました。と言うのはウソで、さきもりちゃんを停めた駐車場の奥に、この赤のディフェンダー90が停まっていたのだ。駐車場の錆び付いた梁などの構造物と調和し、道具感が醸し出され、独特な雰囲気を漂わせていた。カッコいい!

うだつの上がる小坂酒造場。江戸時代に建築され、国指定の重要文化財の町屋とのこと。中に入ると、そこはタイムトリップしたような感覚に襲われる。江戸時代から250年間維持されてきた建物の存在感は圧倒的だ。20年そこらでスクラップ化するハウスメーカーの住宅とは質的にも風格的にも全然別次元だ。

中に入るとお酒がいっぱい!「百春(ひゃくしゅん)」とか「さんやほう」というお酒が有名。

すごいところに階段がついている。二階から降りる時は気をつけないとね。

中庭も美しくて手入れされている。苔の緑が清々しい。

永遠と奥まで続く町屋。これって、江戸時代の税金の関係で奥に伸びて行ったのだったかな?

昼飯は小坂酒造所の少し北側にある"まる伍"というお蕎麦屋さんに立ち寄った。

これは野菜の天ぷらとかけそば!

こっちは野菜の天ぷらとざるそば!!これ以外にもサクラエビの天ぷらもある。

美濃橋と言うつり橋。国指定重要文化財で竣工は大正5年で、国内最古のつり橋。この周辺の長良川は、2月の解禁直後にはシラメ(銀毛アマゴ)を狙うフライフィッシャーが沢山訪れる場所だ。

長良川右岸から十八楼(黄色矢印)を眺める。青矢印の方向が金華山(岐阜城)だ。左岸一帯は川原町の古い町並で、お洒落なCafe、レストランが点在し、最高にワクワクする。"ル・シノワかわで"とか美味しそうだ!
美濃市で昼飯を食べた後は、長良川右岸をさきもりちゃんと共にちんたらドライブしながら下って来て、3時前には十八楼に到着してしまった。チェックインにはまだ早いので周辺を散歩する。特にこの近くには岐阜大仏があり、奈良、鎌倉と並んで日本三大大仏なのである。この大仏は1832年から建設が始まって38年の歳月をかけて完成したという。大イチョウの木を大黒柱として、骨格は木材でくみ上げ、表層は竹材と粘土で張り巡らし、漆塗り金箔を施したもの。つまりこの大仏さんは軽いのかなあ?兎に角、岐阜に来た時は金華山とセットで一見の価値ありよ。大仏見て、川原町の古い街並みの中を散歩して、十八楼に戻ると丁度良い時間となりチェックイン。手荷物は運んでくれるは、コーヒーとか冷たいレモン水とか飲み放題だし、日頃ルートインや東横インでは経験したことが無いような丁寧なおもてなしを受け、慣れないものだからワナワナしてしまう防人だった。

この建物の中に大仏さんが住んでいるのだ。

オッ!今日もご機嫌そうですな。宜しくッ!

十八楼脇にある温泉水が湧き出る場所?ここの長良温泉は鉄分を含んだ赤褐色の「単純鉄冷鉱泉」だ。

ここが十八楼への入り口。ひとたび入るとそこは丁寧なおもてなしと、くつろぎの世界が広がる。長良川の眺めも極めて良い。

担当の人が部屋まで案内してくれて、設備などの詳しい説明をしてくれた。部屋からは長良川や百々ヶ峰、城ケ峰などの山々がよく見える。
まずは温泉に入り、くつろいだ後は最大の楽しみの夕飯だ。今回、防人グループが注文したのは『飛騨牛会席』だ。もちろん、偏食のトクチンはメニューの一部を変更してもらって、唐揚げ、ハンバーグにしてもらった。一部と言うのは、飛騨牛会席の価格を唐揚げとハンバーグのみで実現しようとすると、唐揚げ100個、ハンバーグ20個とかの非現実的な数になってしまうからだ。そのため、トクチンが食べることが出来ないものは我々が食すことにしたわけだ。このように食に関しては安上がりなトクチンだが、唐揚げとハンバーグでご飯を何杯もお替りして極めてご満悦のようであった。

先ずは前菜ですな。

飛騨牛のお寿司。美味しいねえ。

防人はお酒が弱いので、三種のお酒を比較しながらチビリチビリやれる日本酒セットを注文。これはなかなか良かった。

飛騨牛のしゃぶしゃぶ。ここでトクチンがご飯を食べ始めたので、コース外だが、防人もご飯を注文する。やっぱりご飯ないとねェー!

このようなお刺身もご飯と食べるから最高なのですよ。

飛騨牛のローストビーフか。防人、ご飯二杯目に突入。

ムムムッ!まだ料理が出てくるぞ。トクチンが食べられない小皿も食べているので、お腹がいっぱいになり出してしまったぞ。

ナント!飛騨牛のビーフシチューも登場。ここでご飯を食べたかったが、すでにお腹がいっぱいになり出しているので、断腸の思いで、シチューのみで食することに。

あららッ!最後にダメ押しのご飯登場。このキノコご飯は美味しかったが、お腹ははち切れんばかりの満腹感に支配された。

お腹はいっぱいと言っても、デザートは別腹ね。奥さんの両親も満足したようだ。来た甲斐がありましたな。

因みに、これがトクチンの特別メニューのハンバーグと…

唐揚げとフライドポテト。彼はこの二皿でご飯を5杯ほど食していた。
二日目は、早朝温泉に入り、十八楼名物の朝食バイキングを楽しみ、奥さんの両親のリクエストでアクアトト岐阜(すごく混んでいたが)に立ち寄って、極めてのんびりと帰路に就いたのだった。
コメント
特別メニューが輝いてました♪完全なる別メニューですね。
この特別メニューを食べた人はそんなに多くはいないはずですよね。兎に角、トクチンは完全に飛騨牛会席からディカップルしていました!(アッ、もしかしたらハンバーグは飛騨牛だったかな?)